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人権侵犯救済申立事件

愛弁発第171号 平成22年9月3日

名古屋刑務所 所長  北 嶋 淸 和  殿

愛知県弁護士会 会長  齋 藤  勉

勧  告  書

当会は,○○○○申立にかかる平成17年度第30号人権侵犯救済申立事件につき,調査の結果,下記のとおり勧告する。

第1 勧告の趣旨

 申立人の夫である亡●●●●の貴所在監中の診療経過において,C型ウイルス性肝炎による肝硬変患者に対する肝がんスクリーニングの懈怠,及び,肝がん治療開始の遅延による肝がんの早期治療機会の喪失という人権侵害が認められる。

 よって,貴所に対し,B型・C型ウイルス性肝炎患者で肝がんの発生リスクが高い被収容者に対して,肝がんの早期発見のための適切な検査を実施するととも に,肝がんの治療を要する被収容者については,直ちに自施設内において治療を開始するか,治療を実施可能な医療刑務所へ移送する等の適切な処置をするよう 勧告する。

第2 勧告の理由

  1. 申立の概要

    申立人の夫である●●●●(昭和○○年○月○○日生)は,C型肝炎による肝硬変と診断されていたところ,2004(平成16)年8月3日に東京拘置 所から名古屋刑務所に移送された。そして,●●●●は,2005(平成17)年7月にCT検査を受けて,肝がんであることが判明したにも関わらず,医療刑 務所への移送が実現されず,肝がんに対する手術等の根治療法を受けることができず放置されているとして,申立人とともに 当会に人権救済の申立をなした。

    その後,2005(平成17)年11月9日に,●●●●は八王子医療刑務所に移送され,同所で肝がんの手術をうけるも,根治切除できず,同人は,2006(平成18)年5月1日に,肝がんにて死亡している。

    このため,申立人は,名古屋刑務所にて受刑中に,●●●●に対して,C型肝炎について適切な治療が受けられたか否かについても,当会に調査を申立て,問題があればその是正を求めているものである。

  2. 当会が行った調査方法

    (1)●●●●からの聴取
    日時:平成17年11月4日午前10時15分~11時 
    場所:名古屋刑務所
    (2)貴所担当者からの聴取
    日時:平成17年11月4日午前11時~13時
    場所:名古屋刑務所
    聴取対象:処遇部処遇部門統括矯正処遇官,処遇部門主任矯正処遇官,医務部保健課保健課長補佐
    (3)申立人からの電話聴取(逐次)
    (4)申立人代理人弁護士から提供を受けた貴所,
    八王子医療刑務所の資料,
    国家賠償請求訴訟の訴状(案),国家賠償請求訴訟における国の認否に関する資料の検討
    (5)貴所への文書照会(平成21年8月7日付愛弁発第150号)と貴所の回答
    (①平成21年9月7日名刑発1678号,②平成21年12月10日名刑発第2339号)

  3. 認定した事実

    ■2003(平成15)年
    • 7月19日 横浜刑務所横浜拘置支所に収容される。
      この時点までに,C型肝硬変との診断を受けていた。
    • 9月19日 これ以後,肝庇護剤グリチロン錠が処方される。

    ■2004(平成16)年
    • 7月 7日 東京拘置所において腹部CT検査を受け,肝臓のS5領域に直径1センチメートルの低吸収域が確認された。
    • 8月 3日 名古屋刑務所に入所。
      グリチロン錠を継続処方。
    • 8月 5日 血液検査を実施。
      肝機能値は,GOT165(基準値8-38),GPT192(4-43)。
    • 8月10日 腹部超音波検査を実施。
      同年7月7日の腹部CTで指摘された低吸収域は不明。
      担当医は,6か月後に必ずフォローアップCTの実施が必要と判断し,「6ケ月後に必ずfollow up CT を」と診療録に記入した。
    • 9月14日 血液検査を実施。
      C型肝炎抗体陽性。肝機能値は,GOT107,GPT115。
    • 9月24日 医師が診察し,C型肝炎に伴うウイルス性肝炎と診断し,今後も肝機能のフォローが必要であり,半年後に血液検査を実施すると判断した。

    ■2005(平成17)年
    • 2月 1日 医師から,肝腫瘍の疑いで腹部造影CT検査を実施するとの説明を受け,承諾書に署名指印した。
    • 3月 7日 血液検査を実施。
      肝機能値は,GOT53,GPT48。
    • 3月14日 医師が診察し,採血上肝機能改善あり,経過観察で可と判断した。
    • 7月14日 看守部長が,医師診察の結果,肝腫瘍疑いのため上腹部造影CT検査の必要を認めるため,豊田地域医療センターにおいて7/20に同検査を実施するとの「外医治療について(伺い)」を起案し,同日付けで所長決裁あり。
    • 7月20日 外部病院(豊田地域医療センター放射線科)において上腹部造影CT検査を実施。
      担当医は,検査結果から,肝臓のS5領域の肝細胞癌を疑い,手術またはラジオ波による治療目的で,医療刑務所への移送が適当と判断した。
    • 7月27日 医師から,肝臓に腫瘍があり,医療刑務所での治療が必要との説明を受ける。
    • 9月15日 医師が診察し,肝腫瘍マーカー等の血液検査を指示。
      肝庇護剤強力ミノファーゲンCの静脈内注射を開始。
    • 9月20日 血液検査を実施。
      αフェトプロテイン4860(基準値10以下),PIVKA-II(2768(基準値40未満)。
    • 9月21日 考査統括が管区外医療上移送認可申請を起案。同日所長が決裁し,名古屋矯正管区長宛に管区外医療上移送許可が申請された。
    • 9月26日 医師は,同月20日の血液検査結果で肝細胞癌の存在を推認させる値であったことから,肝細胞癌に罹患していると確定診断した。
    • 9月28日 申立人が名古屋法務局へ訴え
    • 10月 5日 医師から,肝細胞癌が疑われることが告知され,専門施設への移動を相談中である等との説明を受けた。
    • 10月24日 当会にて●●●●及び申立人からの人権救済申立を受理
    • 11月 4日 当会調査委員が本人及び貴所担当者から事情聴取
    • 11月 4日 名古屋法務局人権擁護部より貴所宛に,本件診療経過について,電話による事情照会がなされた。
    • 11月 9日 八王子医療刑務所に移送。同刑務所医師は,同年7月20日CT画像を読影し,直径25mm大の典型的な肝細胞癌と読影した。
    • 11月11日 腹部超音波検査実施。
    • 11月17日 CT検査実施。右葉前区域に3cm大の肝細胞癌が認められた。
    • 12月12日 同刑務所内において手術を受けるが,術中,根治切除は困難と判断され,マイクロターゼ治療法に変更された。

    ■2006(平成18)年
    • 1月10日 CT検査で腫瘍の残存が疑われた。
    • 2月 1日 残存する腫瘍に対し,エタノール注入治療を実施。
    • 3月 9日 CT検査で右葉に大きな腫瘍があり,左葉にも小さな腫瘍の散在が認められた。
    • 4月11日 刑の執行が停止される。
    • 4月11日 東松戸病院へ入院。
    • 5月 1日 肝細胞癌により死亡。
    • 6月14日 申立人より,名古屋刑務所から八王子医療刑務所への移送の点のみならず,●●●●に対する肝炎治療の全般に関して問題があったのかどうかという点についても申立の趣旨を拡張したいとの意向であることを確認。

  4. 認定した事実に対する評価(人権侵害の存在)

    (1)B型・C型ウイルス性肝炎患者に対する肝がんスクリーニングのための検査について

    本件は,C型肝硬変,高血圧,不整脈との診断を受けていた●●●●の貴所内における医療が問題となった事案である。●●●●は,東京拘置所において,腹部 CT検査で肝臓に1cmの低吸収域が確認されており,貴所に入所するにあたっても,6ヶ月後に必ずCT検査を実施するよう指示されていた。

    B型・C型ウイルス性肝炎患者は,肝細胞癌を発症するリスクが高いため,腹部超音波検査や腹部CT検査を定期的に実施することによって,肝細胞癌の早期発見・早期治療に繋げていくことが必要とされている。

    そのため,日本肝臓学会「慢性肝炎診療のためのガイドライン」では,原則として,ウイルス性肝炎による慢性肝炎患者には6ヵ月毎に,ハイリスクグループで あるウイルス性肝炎による肝硬変患者には3カ月毎に,熟練した術者による丹念な腹部超音波検査を実施するとともに,定期的なヘリカルCTや,ダイナミック MRIによる検査によって,肝がんの早期発見に努めるべきであるとされており,腫瘍マーカー検査(αフェトプロテイン,PIVKA-II等)の実施も肝が ん早期発見に有用であるとされている。また同学会「肝がん診療ガイドライン」においても,2~6か月毎に腫瘍マーカーと超音波検査による定期的スクリーニ ングを行い,超高危険群に対しては6か月から1年に一度CT,MRIの併用が妥当との判断が示されている。

    こうした現在における肝がんの早期発見に関する診療方針は,本件診療当時においても広く医療関係者の間において周知され,十分に確立したものとなっていた。

    例えば,2004(平成16)年6月1日に日本肝臓学会が発刊した「慢性肝炎の治療ガイド」によれば,B型及びC型肝炎ウイルスによる肝硬変患者は肝がん発症の超高危険群であるため,肝がんスクリーニングのための検査として,

    • 1)3~4か月毎の腹部超音波検査を実施すること
    • 2)腫瘍マーカー検査として,αフェトプロテインとPIVKA-IIを交互に測定し,αフェトプロテインの上昇が見られた場合には,AFP-L3分画を測定すること
    • 3)腹部超音波検査では描出困難な肝がんも存在することから,年1~2回の造影CT・MRI検査を併用すること

    を求めている。

    また,同治療ガイドは,肝硬変に至っていないB型及びC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎患者や,アルコール性その他の原因による肝硬変患者については,肝がん発症の高危険群であることから

    • 1)6か月毎に超音波検査を実施することと
    • 2)腫瘍マーカー検査として,2か月毎にαフェトプロテインとPIVKA-IIを交互に測定し,αフェトプロテインの上昇が見られた場合には,AFP-L3分画を測定することと

    を求めている。

    そして,腫瘍マーカー検査において,AFPの持続的上昇,AFP-L3分画の15%以上,PIVKA-IIの100mAU/mL以上の結果が得られ た場合には,肝がんが存在する可能性が極めて高いので,超音波検査で腫瘍が検出されなくても,ダイナミックCT/MRI等を施行することを推奨している。

    (2)肝がんスクリーニングの懈怠及び肝がん治療開始の遅延

      ●●●●は,遅くとも2003(平成15)年7月13日までには,C型肝炎ウイルスによる肝硬変に至っていることが判明していた。
      従って,同人については,肝がん発症の超高危険群に該当する患者として,3~4か月毎の腹部超音波検査,少なくとも2か月毎の血液検査によるαフェトプロテインとPIVKA-IIの交互の測定,年1~2回の造影CT・MRI検査の実施が必要であった。
      しかるに,同人に対しては,2003(平成15)年7月19日に横浜刑務所横浜拘置支所に収容された後,2004(平成16)年7月7日に東京拘置所でCT検査が実施されたところ,肝臓のS5領域に1cm大の低吸収域が確認された。
      これは肝がんの疑いを示す所見であるから,本来であれば,この低吸収域が肝がんであるかどうかの確定診断のための検査(造影CT等)を直ちに行う必要 があった。仮に,直ちに確定診断のための検査を実施しないのであれば,上記のとおり肝がんの超高危険群患者としての検査を実施する必要があった。
      また,2004(平成16)年8月10日に,名古屋刑務所の担当医が6か月後に必ずCT検査を実施するよう指示をしていたのであるから,最低でも,その6か月後である2005(平成17)年2月ころに,再度CT検査を実施することが必須であったことは明白である。
      しかしながら,同人に対する肝がんのスクリーニングのための検査としては,2004(平成16)年8月10日に腹部超音波検査が実施された後 は,2005(平成17)年7月20日の上腹部造影CT検査実施に至るまで,11か月以上にわたり,腹部超音波検査,造影CTないしMRI検査及び腫瘍 マーカー検査(αフェトプロテイン・PIVKA-II)は全く実施されなかった。
      また,2005(平成17)年7月20日には,上腹部造影CT検査に基づいてS5領域の肝細胞癌が疑われ,手術ないしラジオ波による治療目的での医療 刑務所への移送が必要と判断されたにも関わらず,同人がかかる治療を実施しうる施設へ移送されたのは,3か月以上が経過した同年11月9日のことであっ た。
      なお,2005(平成17)年3月7日に実施された血液検査では,GOT及びGPTの値は前回より改善しており(ただし,いずれも基準値を超える値で ある),同年3月14日には,医師が経過観察でよいと判断したとの経過が見受けられるが,GOT及びGPTは,肝がんスクリーニングのための検査項目とは されておらず,GOT・GPT値が改善したからといって,肝がんの超高危険群に対して必要とされる検査の実施が不要となるものではないことは,日本肝臓学 会作成の「慢性肝炎の治療ガイド」及び「慢性肝炎診療のためのガイドライン」に照らして明らかである。
      以上のとおり,同人は,肝がんの超高危険群患者に対して必要とされる肝がんスクリーニング検査を11か月以上にわたって受けることができず,名古屋刑 務所の医師が6か月後に実施するよう指示した腹部CT検査についてさえ,指示された時期から5か月近く後になるまで受けられなかった上,肝がんのための治 療が必要と判断された後,3か月以上にわたり肝がんに対する治療を実施可能な施設に移送されていないのであるから,同人の診療経過において,肝がんスク リーニングの懈怠及び肝がん治療開始の遅延が認められる。

    (3)まとめ(申立人の人権侵害)

    前項のとおり,●●●●は,肝がんスクリーニングの懈怠及び肝がん治療開始の遅延によって,早期に肝がんに対する治療を受ける機会を逸し た。同人は,刑務所において懲役刑のために身体を拘束されていた者ではあるが,すべての人には,医療,医学が到達し,実施が可能な医療を受ける権利があ る。かかる医療を受ける権利は,我が国が昭和54年に批准した国際人権(社会権)規約(経済的,社会的,文化的権利に関する国際規約)12条や,日本国憲 法13条及び25条にその根拠を見いだすことができる基本的人権であり,すべての人に等しく保障されなくてはならない。人が被収容者という立場になったと しても,これに代わるところはなく,むしろ,被収容者の健康の保持とその疾病の治療は拘禁を行う国の責務であって,国が刑事処遇の目的を達するために,被 収容者に,刑事施設外での自由に医療をうける権利を制約する以上は,国には,被収容者が刑事施設内外において適切な医療を受けることができるよう,その権 利を保障する義務がある。よって,国は,一般社会の医療水準と同程度の医療を提供する義務を負っているのであって,本件後に制定された刑事収容施設及び被 収容者等の処遇に関する法律56条では,「刑事施設においては,被収容者の心身の状況を把握することに努め,被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持す るため,社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする」として,その趣旨が明文化されている。

    これらを踏まえ,前述の当会が認定した事実を考慮するとき,●●●●の医療を受ける権利が侵害されたと言わざるを得ない。

    すなわち,社会一般の医療の水準に照らし,同人に対して,適切な肝がんスクリーニング検査が行われなければならないところ,同人に対しては,適切な 検査が行われず,医師が6か月後に実施するよう指示した腹部CT検査についてさえ,指示された時期から5か月近く遅れてしまった。また,肝がんと診断さ れ,手術ないしラジオ波による治療が必要と判断された場合には,速やかに,同人が治療を受けさせるべきであるにもかかわらず,治療を実施しうる施設へ移送 されたのは,3か月以上が経過した後であった。

    従って,貴所における同人に対する肝がんスクリーニング検査の懈怠,とりわけ貴所における腹部CT検査実施の遅延と,肝がんの治療開始の遅延により,同人が肝がんの早期治療の機会を奪われたことは,同人に対する人権侵害に該当する。

    なお,●●●●は,本件事件申立直後の2005(平成17)年11月9日に,八王子医療刑務所に移送されており,以後,肝がんに対する治療を受けていることから,医療刑務所への移送及び肝がんの治療を求めた申立については,不処置とする。

  5. 認定した事実に対する評価(人権侵害の存在)

    上記のとおり,同人に対する診療経過には,肝がん発症の超高危険群とされるC型ウイルス性肝炎による肝硬変患者に対する肝がんスクリーニングの懈怠及び肝がん治療開始の遅延による,肝がんの早期治療機会の喪失という人権侵害が認められる。

    同人は,すでに肝がんによって死亡するに至っており,同人が侵犯された人権の回復は不能となっているが,B型及びC型肝炎ウイルス感染者は,日本全 国で約350万人(総人口の数%)に及ぶと推計されており,現在及び今後名古屋刑務所に収容される者の中にも,相当数のB型・C型肝炎ウイルス感染者が含 まれることは確実であり,同様の肝がんスクリーニングの懈怠または肝がん治療開始の遅滞が再発する懸念は大きい(申立人ら遺族が国を被告として提起した国 家賠償訴訟において,国は,●●●●に対し,肝細胞癌等の早期発見のために必要な医療措置を施したと主張していることからも,同様の懈怠ないし遅延の再発 可能性は著しく高いことが推察される)。

    本件当時,貴所内にCT撮影装置の設置はなく,撮影は外部の医療機関にて行っていたところ,常時 100人ほどがCTの順番待ちとなっており,おおむね3~4ヶ月待ちが常態になっているとのことであったが,その後,2006(平成18)年3月より,貴 所内にCT撮影装置が設置され稼働しているとのことである。したがって,現時点においては,貴所内にて外部の医療機関に護送することなく,肝がんスクリー ニングのためのCT検査が可能となっており,CT検査実施までの順番待ちの期間は短くなっていると想像されるが,当会から貴所に対する照会に対し,貴所か ら回答がないため,詳細は不明であって,事態が改善されたか確認できない。また,貴所においては,2007(平成19)年12月3日に肝癌と診断された受 刑者が2008(平成20)年8月に至っても医療専門施設に移送されないという人権侵害が生じたため(平成20年度第12号人権侵犯救済申立事 件),2008(平成20)年8月21日,当会は,貴所に対し,医療専門施設又は刑事施設外の専門医療機関に移送して,肝がんに対する手術などの適切な治 療を受けさせるよう勧告を行っている。

    従って,当会は,貴所に対し,B型・C型ウイルス性肝炎患者で肝がんの発生リスクが高い被収容者に対して,肝がんの早期発見のための適切な検査を実 施するとともに,肝がんの治療を要する患者については,直ちに自施設内において治療を開始するか,治療を実施可能な医療刑務所へ移送する等の適切な処置を されるよう,勧告する。

以上