特化条例とは何ですか?

 特化条例とは、犯罪被害者等支援を目的とした条例の通称です。

 都道府県では令和4年2月22日現在で、北海道、青森、宮城、秋田、山形、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、石川、福井、岐阜、静岡、三重、滋賀、大阪、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の35都道府県で制定済みです。

 政令指定都市は、さいたま市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市の9都市で制定済みです。

 政令指定都市以外の市町村は、警察庁HPによれば令和3年4月1日現在で 384の市町村で制定済みです。

 そのほか、近いところで制定予定(済)のところも多くあり、 都道府県では、長野、広島が、 政令指定都市では、浜松市、広島市において制定予定(済)です

 (以上、愛知県弁護士会犯罪被害者支援委員会調べ。最新状況は変動している場合があります。)

 特化条例の内容として、例えば、大阪府の特化条例では「被害者支援調整会議」を設置して、関係機関等の連携・協力によるワンストップ支援体制の構築、東京都では、特化条例で犯罪被害者への相談、情報等の提供を定めた規定に基づき、無料法律相談や被害者参加制度における弁護士費用の助成を行うなど、それぞれに特色のある内容を定めています。

愛知県の特化条例制定に向けた動き

 これまで、愛知県では、犯罪被害者やその家族を支援するため、学識経験者や弁護士、民間支援・犯罪被害当事者団体等で構成する「愛知県犯罪被害者等の支援に関する有識者会議」を設置して「愛知県犯罪被害者等支援条例(仮称)」の制定に向けた検討が進められてきました。

 「愛知県犯罪被害者等支援条例(仮称)骨子案」が取りまとめられ、県民意見提出制度(パブリック・コメント制度)に基づき、県民からの意見募集が実施され、愛知県犯罪被害者等支援条例(仮称)案(非公開)について検討がされる等、制定に向けて積極的な動きがなされてきました。

 その結果、令和4年3月24日に愛知県議会で愛知県犯罪被害者等支援条例案が採択され、翌25日に愛知県犯罪被害者等支援条例が公布されています。

名古屋市での特化条例の制定状況と愛知県弁護士会の連携

 「外部機関との連携のご紹介~犯罪被害者支援委員会です~」でご紹介したように、名古屋市では、名古屋市犯罪被害者等支援条例が制定されています。具体的な支援メニューとして、犯罪の被害にあわれた方に向けた経済的支援、日常生活支援、居住その他の支援のほか、名古屋市犯罪被害者等総合支援窓口では、専任の支援員が、犯罪の被害にあわれた方等に対する相談や、必要な情報の提供及び助言、名古屋市の支援施策の提供や、関係機関との連携・連絡調整等をしています。

 愛知県弁護士会も、「犯罪被害者等支援に関する法律問題援助事業」という形で、総合支援窓口の支援員が相談に対応する際に直面した法律上の問題について助言をしています。

(参考)名古屋市犯罪被害者等支援リーフレット_page-0001.jpgのサムネイル画像

(参考)名古屋市犯罪被害者等支援リーフレット.pdf

今後の特化条例制定に向けた愛知県弁護士会犯罪被害者支援委員会の活動

 愛知県弁護士会犯罪被害者支援委員会は所属委員が愛知県犯罪被害者等の支援に関する有識者会議に委員として参加することで特化条例制定を後押ししたり、犯罪被害者等支援条例に関するミニシンポジウムを開催(開催済み)したりすることで特化条例制定に向けた機運を高める活動をしています。

 また、犯罪被害者等支援条例に関するミニシンポジウムを開催した際には愛知県下各市町村の各担当者様に声掛けをする中で、各市町村の特化条例の制定状況を把握することもできました。

 愛知県での特化条例制定をきっかけとして県下の各市町村も続くことができるよう、各市町村の実情も踏まえつつ、特化条例制定に向けて後押しをしてまいります。