本日、3月8日は、国際女性デーです。
女性が権利の獲得のために歩んできた歴史を称えるとともに、教育・雇用・政治の分野などに残る格差や不平等、暴力の問題を考える日とされています。
日本は、今から40年ほど前、1985年6月にようやく、女性差別撤廃条約(以下「本条約」という)を批准し、その後、性暴力被害者の声を反映させるべく刑法を改正したり、婚姻開始年齢の統一及び再婚禁止期間の撤廃に関して民法を改正したり、さらに「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)を制定したりするなど、本条約の趣旨にのっとり、女性の権利の保障と差別の是正に向けた取り組みを一定程度進めてきました。
しかし、まだ、日本には、性別分業や、育児や介護など他者をケアする責任は女性が担うべきであるというような意識も根強く残っています。
また、日本は、国連の女性差別撤廃委員会から、選択的夫婦別姓制度や同性婚を実現させるよう勧告を受けており、国内でその実現を求める声が上がっているにもかかわらず、未だ立法の目途はたっていません。選択的夫婦別姓制度については、「自分らしさ」「アイデンティティ」を保ちたいという、本質的要請に応えようとせず、利便性にのみ傾斜した旧姓使用の法制化が進められようとしています。経済界からも「引き続き選択的夫婦別姓制度の実現を求める」との意見が示されているところです。
そして、1999年に本条約の実効性を高めるために、国連において女性差別撤廃条約選択議定書(以下「選択議定書」という)が採択され、既に115カ国(2025年9月現在)が批准しているにもかかわらず、日本がまだ批准していないことは大きな問題であると言わざるを得ません。選択議定書が定める、「個人通報制度」「調査制度」は、条約違反を国際的に訴える手段となりうる制度であり、これが日本でも適用されるようになれば、様々な権利の救済につながることが期待されます。
改めて、国に対し、本条約の理念に立ち返り、選択議定書の採択を含め、様々な法制度の改革を進めて、性による差別のない社会の実現をはかることを求めます。
そして、私たち弁護士・弁護士会は、本条約批准の際に発揮されたエネルギーを今一度呼び起こし、一人一人が尊重される社会が実現されるよう、あらゆる女性差別の撤廃に向けて提言し行動していく所存です。
2026年3月8日
愛知県弁護士会
会長 川 合 伸 子

