あけましておめでとうございます。
昨年は、愛知県弁護士会の活動にご理解、ご協力を賜り、誠にありがとうございました。
弁護士法第1条に定めるとおり、弁護士は、基本的人権の尊重と社会正義の実現をその使命としています。今年も、私たちは、具体的案件解決のために職務に取り組むことにより、また、弁護士会の委員会活動等を通して、この使命を果たしていく所存です。
当会では、高齢者・障がい者、子ども、外国人、消費者、犯罪被害者等の人権擁護・救済活動、労働問題、公害対策・環境保全、災害対策・被災地支援、中小企業支援、被疑者・被告人のための刑事弁護活動の充実、民事・家事代理人活動の充実、法教育、法曹養成等のために、委員会活動を行っています。
中でも、再審法につきましては、袴田事件等に象徴されるように、無辜の人が、人生をかけて闘い続けなければならないような被害を二度とおこさないためには、広範な証拠開示を認め、再審開始決定に対する検察官の抗告を禁ずる等の法改正が必要であり、日弁連とともに運動を続ける所存です。
また、選択的夫婦別姓制度の実現も重要な課題です。通称制度によっては、婚姻に際し意に反して氏を変更せざるをえない人々の人権は救済されませんし、果たして海外において完全に通用するのか疑問もあります。一人でも多くの方々にご支援いただけるよう、引き続き運動を続けます。
世界に目をむければ、ロシアによるウクライナ侵攻から始まった戦争、ハマス等とイスラエルとの間における紛争などの深刻な武力紛争は未だに解決には至っていません。戦争は最たる人権侵害であり、私たちは、引き続き、恒久平和主義等、日本国憲法の定める基本理念を堅持してまいります。
さて、私たちは、愛知県内の各地に法律相談センターを設置しています。何かお困りごとがあったときや疑問に感じるようなことがあったときには、お気軽にご相談いただきたく存じます。
今年も、愛知県弁護士会は、皆様のお力になれるよう、そして、法の支配を遍く社会に浸透させることができるよう、精一杯尽力する所存です。
皆様におかれましても、愛知県弁護士会へのご理解、ご支援をどうかよろしくお願いいたします。
2026年(令和8年)1月1日
愛知県弁護士会
会長 川 合 伸 子

