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 1月の初旬から見受けられたオミクロン株の感染が、この1ヶ月余りで爆発的に広がり、今もまだその勢いが止まりません。私たちの任期が始まってからを振り返ってみると、昨年4月から10月までほとんど途切れることなく新型コロナ感染症のための行動制限を余儀なくされ、10月半ばからようやく行動制限が解かれてほっとしていたところ、またしても年初から感染拡大が始まり、1月21日からまん延防止等重点措置が実施されることとなり、再び行動制限を受けることになりました。リアルで予定していた各種行事は軒並みオンラインに切り替えることになり、飲食を伴う懇親会は中止せざるを得なくなりました。このように新型コロナ感染症に翻弄された1年で、大変残念でしたが、これは皆さまも同じ思いをされているものと思います。  

 今回は、弁護士会という組織のことを少しご紹介したいと思います。弁護士会は、各都道府県に1つの地方裁判所、地方検察庁があり、それに対応する形で存在します。愛知県では名古屋地方裁判所、名古屋地方検察庁があり、それに対応して愛知県弁護士会があります。

 例外が2つあります。1つは東京都の場合です。東京都には、裁判所、検察庁はそれぞれ1つしかありませんが、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と3つの弁護士会があります。これは弁護士制度が生まれて比較的早い時期に分派されたものがそのまま現在まで定着したものです。

 2つには北海道です。北海道は広大な面積を持つために、そもそも裁判所、検察庁が4つあります。すなわち、札幌、函館、旭川、釧路にそれぞれ地方裁判所と地方検察庁があり、それに対応して弁護士会があります。

 そのために、47都道府県ですが、弁護士会は52あります。

 日本弁護士連合会は、52の弁護士会と全ての弁護士、弁護士法人を組織するものです。弁護士法では日弁連の目的を、「弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うこと」と定めています。このような日弁連の中心的な運営として、会長と15名の副会長、それと事務総長と6名の事務次長が日常的な業務を担当するとともに、各弁護士会を代表する75名の理事により構成される理事会が毎月1回開催され、日弁連としての意思決定を行い、法律に規定された活動を行っているものです。

 私も、日弁連の副会長として毎週上京し、その目的とされている業務を行っています。そこでは会議に参加するだけではなく、業務の執行として、国会議員に要請を行ったり、最高裁、法務省との折衝を行ったりしています。昨年で言えば、少年法改正についての付帯決議を入れてもらったり、入管法改正に関しては問題点の指摘を行ったりしていました。また私自身の担当する件では、最近、最高裁で総務局長、法務省で司法法制部長と面談をし、日弁連の政策についての説明をしてきました。このように日弁連が、各弁護士会、弁護士の連合体として、人権擁護、社会正義にかかわる重要な政策に積極的に関与する存在であることを皆さんにご理解いただけければと思います。

2022年2月1日               愛知県弁護士会会長  井口 浩治

副会長

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