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消費者問題速報 VOL.224 (2024年10月)

1 タレントレッスン受講契約のクーリング・オフを認めた事案(東京地裁令和4年3月7日判決)

 タレントレッスンの受講契約締結の際、事業者側が、受講生に対して、①契約書(①)及びレッスンに関する規則が記載された書面(②)を交付しており、①書面にはクーリング・オフに関する記載があるものの、②書面の規定と併せて読むと、解除によっても未受講分の受講料を含む支払済みの全ての金員が返還されないかのような誤解を招くおそれのある内容であるとして、上記①・②書面の交付をもって、特定商取引法42条2項の書面の交付があったとはいえないとし、特定商取引法48条1項に定める期間が経過したとは認められないから、クーリング・オフが認められるとした。

 【国民生活2024年9月号26頁】

 URL:https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202409_10.pdf

2 複数人名義の預金口座に金銭を振り込んだ詐欺被害者が、預金口座を仮差し押さえする場合における被保全権利の額について、振込金額合計を被保全権利として認めた事案(名古屋高裁令和6年9月9日決定)

 複数人名義の預金口座に金銭を振り込んだ詐欺被害者が、そのうちの一つ の預金口座(以下「本件口座」という。)を仮差し押さえする場合、被保全権利の額について、各預金口座への振込みが一連の詐欺行為によるものであると評価し、本件口座に振り込んだ金額ではなく、各預金口座に振り込んだ合計金額を認めた。