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消費者問題速報 VOL.123 (2014年4月)

1.約定利息による残額での訴外和解について,錯誤により無効とした判決2件(大阪高裁平成26年3月28日,東京高裁平成26年3月19日)

 大阪高裁は,70万円の過払金が発生していたにもかかわらず,11万円の残債務を分割して返済するとしたアコムとの示談について,錯誤により無効とした。

 また,東京高裁は,CFJとの訴外和解契約につき,残債務がない,あるいは過払金が存在する可能性があることについて,それを前提とせずに合意したことから,これを錯誤により無効とした。

 【名古屋消費者信用問題研究会HP

2.貸金業者が,消滅時効期間を経過した貸金債権を債務者の無知に乗じて強引な方法で支払わせた場合に,信義則上,借主に再度の消滅時効の援用を認めた判決(宇都宮簡裁平成26年2月25日)

 宇都宮簡裁は,アペンタクルが消滅時効債権であることを知りながら,借主に対して強引な方法で取立てをし,借主の無知に乗じて弁済金を支払わせた事案について,借主においてもはや時効を援用することはないであろうというアペンタクルの信頼を保護する必要もないとして,信義則に照らし,借主に再度の消滅時効の援用を認めた。

 【名古屋消費者信用問題研修会HP

3.証券会社による仕組債の販売について,説明義務違反を認めた判決2件(横浜地裁平成26年3月19日,横浜地裁川崎支部平成26年3月25日)

 横浜地裁は,三菱UFJメリルリンチ証券など2社が高齢の夫妻(夫88歳,妻81歳)に仕組債を販売した事案について,合計6600万円の損害賠償請求に対し,説明義務違反を認め,約4600万円の支払いを命じた。

 また,横浜地裁川崎支部は,三菱UFJメリルリンチ証券が,女性経営者に対し仕組債を販売した事案について,説明義務違反を認め,損害賠償責任を認めた(過失相殺8割)。