デートDV防止出張授業とは?

授業の目的

デートDVのない尊重し合う恋愛関係やデートDVを受けたときの対応について学ぶ

 DVの被害は、中学生・高校生・大学生の交際関係でも多く発生しており(これを「デートDV」といいます。)、深刻な被害実態が報告されています。

 デートDVの予防教育を受講した、1都10県の中学生・高校生・大学生2868人を対象に、平成28年10月~12月に実施した調査結果では、交際経験のある対象者の女性のうち、デートDVの被害を1つでも受けた人の割合は、44.5%にもなるという報告がなされています(認定NPO法人エンパワメントかながわ「デートDV白書vol.5」)。

 デートDVは社会問題であり、令和2年12月に閣議決定された「男女共同参画基本計画(第5次)」においても、女性に対する暴力を根絶するため、デートDVについて、教育・学習、予防啓発を充実することが言及されています。

 また、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に基づく「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本的な方針」(内閣府、国家公安委員会、法務省、厚生労働省告示)においても、若年層への教育啓発について言及されています。

 私たち弁護士は、日頃、法律相談を受けていますが、DVの問題は、離婚や交際関係を解消するときのトラブルにとどまらず、たとえば借金の相談など、一見、DVの相談ではない相談にも見られます。

 ところが、DVの被害を受けていても、被害になかなか気づけず、あるいは、別れることができないと加害者から思わされてしまい、被害が深刻化してから相談に来られる方が多い実情があります。また、DV加害をしていても、加害行為であることに気づかない加害者が多いという実情もあります。

 実際のDVの事例に触れている私たち弁護士が、DVの加害・被害が深刻化する前に、デートDVについて生徒のみなさんと一緒に考え、DVを減らしたいと思い、出張授業を始めました。

授業の内容

 デートDVは、重大な人権侵害行為であり、特に信頼する恋人からのあらゆる暴力は、被害を受けた生徒に深刻な心の傷を生じさせます。デートDVの問題は、多くの人が被害を受けている社会問題でもあります。

 それにもかかわらず、デートDVは個人の恋愛関係のトラブルとして扱われることが多く、加害者にDVをしたという自覚がなく、被害を受けた生徒もDVであることに気づかずに、自分が悪いのだと思い込まされることが顕著な傾向としてみられます。

 そこで、授業では、DVのある関係ではどういうことが行われるかという実態や、危険性、DVの起こる原因を知ってもらいます。また、デートDVのない健全な恋愛関係について考えてもらい、実際に被害を受けたときにどのような行動を取ったらよいか、友達が被害にあったら、どうしたらよいかも考えます。その上で、デートDVを防止するために、自分に何ができるのかを考えてもらいます。

授業の形態

 (1)講師:1校につき、1名の弁護士を講師として派遣します。

 (2)対象:高校生    

 (3)授業時間:1コマ(50分)

 (4)構成の一例:

・デートDVのある関係ではどういうことが行われるか

・デートDVの原因は?

・デートDVのない恋愛関係はどういうもの?

・デートDVを受けたらどうしたらいいか    

・別れるときの危険性と対応         

・友達が被害を受けていたら?

・友達が加害者だったら?

*授業の内容は学校の実情に応じて柔軟に対応させていただきたいと存じますので、事前に各学校との打ち合わせをさせていただいております。

お申込み方法・お問合せ先

・別添の申込書をFAXする方法で、お申し込みください。

申込書(2021年度).pdf

【学校の所在地】

名古屋市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、あま市、長久手市、愛知郡、西春日井郡、丹羽郡、海部郡、知多郡

*本年度の実施は、上記所在地に限らせて頂いております。

【お申し込み・お問い合わせ】

  愛知県弁護士会・両性の平等に関する委員会

  TEL (052)203-4410  FAX (052)204-1690

※お電話の受付時間は、平日の午前9時から午後5時までです。

・随時お申込みが可能です。

 ただし、あまり直前ですと、講師の都合がつかずに実施できないことがありますので、3か月ほどの余裕を持ってお申し込みください。

 また、特定の時期(7月上旬、12月上旬など)に希望が集中する可能性がありますので、実施時期の分散にご協力いただけると助かります。

 第1希望・第2希望の日は異なる日にしてください。

 授業の実施は、平日とさせていただきます。

 授業の時間帯ですが、移動の関係で1限はできれば避けていただくようお願いしております。

・2021年4月以降、お申込みの翌月末までをめどに、実施の可否と(実施する場合は)実施日時をご連絡いたします。

※お申込み状況によっては、ご連絡が遅れる場合もございます。

・予定実施数を超えるお申込みがあった場合には、お断りさせていただくことがあります。

 本年度の予定実施数は、先着10校のみとさせていただいております。

・実施するために、実施日時を調整させていただくことがあります。

・限られた予算の中で実施しておりますので、費用を負担していただけると助かります。

 *費用を負担していただけた場合、先着10校を超えた場合でも、実施させて頂ける場合があります。

 *費用負担していただける場合 

①講師料1コマ(50分)1万1000円

②実施地域によっては、交通費のご負担をお願いすることもあります


Q&A

Q:高校生以外(中学生や小学生)に授業をしてもらうことはできないのですか?

A:現時点においては、高校生向けの授業内容となっていますので、高校生についてお申し込みください。高校生以外で実施を希望される特別の事情がある場合は、ご相談ください。


Q:2コマの授業をお願いできませんか?

A:現時点では、派遣できる講師の数に限りがありますので、1コマ(50分)での授業を実施させて頂いております。ただ、1コマ目に弁護士が授業をし、2コマ目は弁護士はいないけれども、生徒さんたちに「振り返りシート」を使った振り返りの時間を取ってもらうということはできますので、ご希望があればご相談下さい。


Q:(講堂や体育館などで)全クラス一斉の授業をしてもらうことはできますか?

A:実施可能です。


Q:費用を負担しないと、授業を実施してもらえないのですか?

A:費用を負担していただけないからといって、直ちにお断りするわけではありませんが、実施の可否を判断する際に、費用負担の有無を考慮に入れさせていただくことがあります。特に本年度は、費用を負担していただけない場合、先着10校のみ実施可能とさせていただいておりますので、申込みの時期によっては、実施できない可能性があります。


上記以外の方法での授業(例:教員や保護者向けの授業)を希望される場合は、ご相談ください。デートDV防止出張授業ではなく、講師派遣という形での実施を検討させていただきます(検討の結果、ご希望に添えない場合もありますことは、あらかじめご了承ください。)。