1 はじめに

1月29日にZoomミーティングによりシンガポール弁護士会(Law Society of SingaporeLSS)と当会とのオンライン交流会が開催された。LSSと当会とは、直近では202411月に当会国際委員会によるシンガポール視察旅行の際に交流の機会を持ち、2025年3月には友好協定を締結した。今回実施されたLSSとのオンライン交流会は、この友好協定締結後、初めての共同プロジェクトとして開催されたものであり、今後の継続的な交流に向けた重要な第一歩となる企画であった。

2 オンライン交流会の内容

本オンライン交流会には、LSSおよび当会から合計35名が参加した。語学力やトークテーマに応じて、1グループ5名程度に分かれ、30分間のグループトークを、メンバーを入れ替えながら計2回の意見交換を行った。

最初に参加したグループでは、LSS側の参加者が日本語を流暢に話すことができたため、日本語でのグループトークとなった。話題は、互いの国への渡航経験、日本語学習の経緯、司法試験制度、弁護士の働き方(1日のタイムスケジュールやリモートワークの有無)、独立に至った経緯、さらには国際案件の状況(国際仲裁を含む)やAIの活用方法にまで及び、非常に幅広いテーマについて意見交換が行われた。とりわけ、シンガポールは国内市場が比較的狭く、マレーシアやインドネシアをはじめとするアジア諸国と地理的にも近接していることから国際案件が多い点、また日系企業に関連する案件も多いという話は、参加者にとって大変興味深いものであった。2つ目のグループでは、共同親権およびリモートワークを中心に意見交換を行った。シンガポールでは既に共同親権制度が採用されており、例えば平日は母親、休日は父親が子供の世話をするなど、双方が子供と関わる時間が確保されているそうである。子供にとって重要な決断ついては、まず親権者同士で話し合い、それが困難な場合には裁判所に申立てを行い、裁判官が「なぜ合意に至らなかったのか」「子どもの利益に資するのはどちらか」を判断する仕組みとなっている。このようなシンガポールにおける共同親権の運用は、今後日本で本格的に始まる共同親権制度と共通点も多く、日本における課題やその解決方法を検討するうえで、大変示唆に富む内容であった。また、シンガポールでは、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としてリモートワークが大きく普及し、裁判手続のオンライン化も進展した。同じグループに参加したLSSの弁護士からは、通勤時間を業務に充てられることや、裁判所で長時間待機する必要がなくなった点など、オンライン化のメリットを強く感じているとの意見が示された。なお、シンガポールの裁判では、日本で利用されているTeamsではなくZoomが用いられており、書面提出についてもMintsではなくe-litigationシステムが使用されているとのことで、ITインフラや運用の違いについても意見交換を行うことができた。

3 最後に

 今度も引き続きLSSとの交流を続けていきたい。

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