小川 淳会長/写真.jpg 2023(令和5)年度の愛知県弁護士会会長の小川淳です。4月から1年間、5名の副会長とともに愛知県弁護士会の運営を担っていくことになりました。ごあいさつを申し上げます。

 愛知県弁護士会は、愛知県内に本会(名古屋市)と西三河(岡崎市)、東三河(豊橋市)、一宮、半田の四つの支部を持つ弁護士会です。

所属する弁護士は2,100名程で、全員が一丸となって、良質な法的サービスの提供など、皆様のお役に立ちたいと日々の努力を積み重ねています。

 法律相談活動は、当会における重要な活動のひとつです。当ホームページの『相談したい』では、ご相談されたい内容に応じて、相談場所や流れをご紹介するなどしています。私たち弁護士は、法律の専門家です。安心してご相談ください。

 昨年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻に始まったウクライナ戦争や、近時の物価の高騰などは、コロナ禍によるダメージと相まって、私たちの生活に実に大きな影響を与えています。特にシングルマザーや、非正規等の形態で働く方等の生活を一層困難なものにしています。お一人で悩まず、ためらわず、どうぞご相談ください。私たち弁護士はいつも皆さんとつながっています。

 基本的人権の擁護と社会正義の実現は、弁護士法第1条にも明記されているように、弁護士が担うべき使命です。私たち弁護士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努めなければならないものとされています(弁護士職務基本規程第8条)。

 そして、愛知県弁護士会では、その社会的使命を果たすため、多種多様な委員会、協議会、対策本部等を設け、さまざまな人権擁護活動、障がい者・高齢者の支援、児童虐待防止や子どもの権利確立への取組み、被疑者・被告人のための充実した刑事弁護活動を行うための取組み、両性の平等と男女共同参画の推進、犯罪被害者、外国人、消費者、労働者の方々の権利の確立等のための活動を積極的に行ってきました。企業活動への関与や支援、新しい法制度への研究・意見公表等も行っています。

 市民の法的需要や期待に応え、さまざまな法制度の改革を進めていくために、今年度、私たちは、上記委員会等の活動を今以上に充実させ、活発なものにしたいと考えています。

 先述したウクライナ戦争は現在、解決の兆しも見えず、多くの市民が犠牲になっています。ロシアの軍事侵攻は、第2次世界大戦後の国際秩序を大きく動揺させる暴挙であり、強く非難されるべきものです。国連憲章と国際法に違反する武力による主権と領土侵害を止めるためにも、自由・民主主義・人権の尊重・法の支配という普遍的価値を世界で共有して、一日も早く新たな秩序を創ることが必要です。

 愛知県弁護士会は、これまでも憲法問題に関する情報を発信し、市民と議論の場を設ける等、日本国憲法の基本的な理念を社会に定着させるための活動を行ってきました。ウクライナ戦争は、単にヨーロッパ1国の独立への闘いであることを超えて、戦争と平和と、安全保障に関する問題を提起しています。市民の皆様とこれらの問題をともに考えていく所存です。

 弁護士が連帯し、弁護士会の活力を向上させ、そして基本的人権の擁護と社会正義の実現に努めたい、これが本年度の役員の目標です。

 この一年間、頑張ってまいります。皆様におかれましても、愛知県弁護士会へのご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。

2023(令和5)年4月1日  

 愛知県弁護士会会長 小川 淳

副会長

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