2017ikeda.jpg 早春の候、陽射しに温もりが感じられるようになってきました。季節柄、卒業・入学、転勤、年度末の仕事や活動の区切りをお迎えの方もいらっしゃると思います。また、新しい季節を迎えて、生活を見直される方もおられると思います。 最近では、ワーク・ライフ・バランスという言葉も定着してきました。仕事と家庭生活の調和と訳されています。ライフには、命、日々の生活、人生といった意味があります。自分、家族との関係等が大切にされる日常の生活を送るためには、家庭、仕事、地域、社会において、様々な意味においてバランスが取れることが望まれます。いきいきと充実した日常の生活、そして人生を送りたいものです。

弁護士の仕事はどうでしょうか。最近では、民間企業や自治体等の行政機関に勤務する弁護士も出てきましたが、伝統的には、弁護士の多くは自営業者です。法曹資格を得て弁護士登録をすれば、独立して業務を行うことができます。もっとも、登録してすぐに実務に精通することはできませんから、多くの弁護士は、当初は先輩事務所や弁護士法人に所属して、様々な事件を通して、実務を学んでいきます。 事務所の経営に参画する弁護士であっても、勤務する弁護士であっても、出産や育児、あるいは介護に携わりながら、依頼者からの相談や事件に携わっています。女性弁護士だけが産休・育休の悩みや負担を抱えているわけではなく、男性弁護士が育休を取るという場合でも同様であると思います。

平成29年10月に施行された育児・介護休業法では、子が1歳6ケ月に達する時点で保育所に入れない場合等、なお休業が必要であると特に認められるときには2歳まで育休取得が可能になりました。 長きに亘って男性が多数を占めてきた他の領域や業界と同じように、女性弁護士が育休、産休を取得しにくいという状況にあるという声があります。個人の問題に押し込めることなく、組織や社会全体で支えていく仕組みや工夫、ネットワークや風土を醸成していきたいものです。

さて、今年度の愛知県弁護士会の理事者6名中3名が女性ということもあり、男女共同参画に関する課題にも積極的に取り組んできました。国際的にみると、司法の分野を明示して意思決定過程へ参画する女性の割合を30パーセントとすることが求められています。女性が働きやすくするためには、まだまだ様々な決断に女性がかかわっていく必要があります。長時間労働の是正を含めて、女性の働きやすい社会は、男性も働きやすい社会と言えるでしょう。まだまだ取り組むべき課題は多いですが、女性も男性もジェンダーバイアスに縛られることなく生きやすい社会の構築に向けて、知恵を絞り、行動していきたいと思います。


これからも、愛知県弁護士会は、地域社会や市民の皆様の声を聴き、的確に応えた行動をしてきたいと考えています。

当会の歴史活動 につきましては、このホームページで別にご紹介しているとおりです。一度、ご 覧頂きたいと思います。


弁護士は社会生活上の医師とも言われます。様々な法律問題や悩みが生じてきます。こんなことを弁護士に相談していいのだろうか。そんなご心配はいりません。まずは、ご相談してみて下さい。 

当会では、皆さまが利用しやすい種々の法律相談サービス名古屋法律相談センター(名古屋駅前の大東海ビル)、4つの支部会館(東三河西三河一宮 半田)、そのほか県内1 1ケ所の法律相談センターや地方自治体等の法律相談窓口等県内の各所で展開しています。

私たちは、皆さまの身近に起きる様々の紛争やその予防について、法律専門家として適切なアドバイスを行っています。どうぞお気軽にご相談ください。きっとお役に立ちます!法律相談センターではWEBでの予約 (名古屋・一宮・半田)も行っています。


また、当会では、昨年1月、中小企業への法律支援により深く取り組もうと中小企業法律支援センターを立ち上げました。中小企業の事業主の皆さまの抱えておられる国内外に関わる様々な法律問題への相談にも積極的に対応します。どうぞご利用ください。

どうぞ、今後とも、愛知県弁護士会の活動に一層のご理解とご協力をお願いいた します。

平成30年3月1日          愛知県弁護士会会長  池田 桂子

副会長

2017vicepresident.jpg

過去の会長あいさつはこちら