本年9月19日から、愛知・名古屋において、第20回アジア競技大会及び第5回アジアパラ競技大会が開催されます。アジア各国・地域から数多くのアスリートが、ここ愛知・名古屋に集い、日頃の努力の成果を競い合う一大スポーツイベントです。

 一方で、近年の国際スポーツ大会においては、アスリートに対して人格を否定するような誹謗中傷が行われたり、アスリートを盗撮した画像や映像、それらに悪意のある加工・編集をした画像等がインターネット上で拡散されたり、国籍・人種・民族的出自等を理由とする差別的投稿が行われたりするなど、アスリートの人格と尊厳を深く傷つける行為が国際的な問題となっています。

 こうした行為は、選手らに大きな精神的負担を与え、安心して競技に取り組む環境を損なうものです。また、スポーツを通じた国際的な尊厳、友情、親善、平和及び環境の促進という、アジアオリンピック評議会の根本原則(OCA憲章第2条)に反するものです。

 日本では、誹謗中傷や、盗撮画像・映像の撮影・投稿・拡散は、内容や態様によっては、名誉権、人格権及びプライバシー権等を侵害する違法行為となり、損害賠償責任や刑事責任を負う可能性があります。匿名での投稿であっても、情報流通プラットフォーム対処法が整備され、法的手続により発信者が特定されうるようになりました。

 他方で、インターネット上の情報は国境を越えて瞬時に拡散されます。そのため、アスリートが安心して競技に臨むことのできる環境を作るためには、一つの国や地域だけでなく、国境を越えて協力し、共通の意識を育んでいくことが重要です。

 そこで、愛知県弁護士会は、アスリートが安心して競技に集中できる環境づくりに向けた国際的な啓発活動を実施し、アスリートの努力や挑戦を尊重して、温かい声援を送る機運を国際的に醸成していきます。そして、アジア各国・地域のアスリートの皆様には、安心して、ここ愛知・名古屋で、競技に参加していただくことを願います。

2026年(令和8年)9月8日

愛知県弁護士会   

会長 長谷川 龍伸