死刑制度廃止委員会の活動

 生命は、人が人であることによって当然に尊重されるべきものであり、どんな理由があろうと、これを奪うことは重大な人権侵害です。

 死刑は、国が国民の生命を奪う処分です。そして、誤判・えん罪の場合に取り返しがつきません。弁護士・裁判官・検察官がどれだけ気を付けても、誤判を完全になくすことはできません。

 実際、いったん死刑判決が確定した後に再審によって無罪が確定したえん罪事件が、戦後これまで5件も発生してしまっています(いわゆる「免田事件」、「財田川事件」、「松山事件」、「島田事件」、「袴田事件」)。

 死刑制度廃止委員会では、死刑制度の実態、実際の死刑事件の経緯、死刑制度に関する世界の議論状況等を勉強し、市民の皆様へ情報提供する活動をしています。

 具体的な活動内容は下記のとおりです。

1.「死刑廃止を考える日」シンポジウム

 毎年12月~1月ころに、「死刑廃止を考える日」として、愛知県弁護士会館にて、映画上映及び講演会等を内容とするシンポジウムを行っています。

 昨年度は、「被害者側と加害者側の対話から考える死刑制度」と題して、実在の死刑事件において、被告人の弁護を担当した弁護士と、その事件の被害者遺族との対談を行いました。

(参考資料:昨年度のチラシ)

【確定】死刑制度を考える日チラシ.jpg

 本年度は、2026年1月24日(土)にシンポジウムを実施すべく企画中です。詳細が決まりましたらこのホームページでお知らせしますので、ご確認ください。

2.死刑に関する勉強会

 毎月1回程度、死刑制度廃止委員会に所属する委員同士で集まって、死刑に関する勉強会を開催しています。

 勉強会の内容は様々であり、死刑判決が下された実際の事件について、その弁護人を務めた弁護士を招いて事件の問題点や弁護手法について議論したり、あるいは、死刑制度の理論的問題について、大学教授を招いて講義を受けたりと、最先端の議論に取り組んでいます。

 その他、随時委員同士で情報交換を行い、死刑に関するニュースや、他の弁護士会の取り組み、おすすめの書籍などを教えあって、日々切磋琢磨しています。

(委員会の様子)

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3.国会議員との意見交換

 所属政党を問わず、また、死刑廃止派か存置派かを問わず、愛知県選出の国会議員に対し、死刑制度に関するアンケートを行ったり、死刑廃止を求めて面談を行ったりと、コミュニケーションをとっています。

おわりに

 死刑制度廃止委員会では、以上のような活動を通して、市民の皆様一人一人が死刑制度について考え、議論する土台を提供したいと考えております。

 2026年1月24日(土)実施予定の「死刑廃止を考える日」シンポジウム等、市民の皆様に向けた情報発信については、随時このホームページで公開しますので、ぜひご確認ください。