精神保健委員会では、「精神保健相談」という活動をしています。

「精神保健相談」は、愛知県内の精神科病院に入院中の方から退院や処遇改善に関する相談の申込を受けて、弁護士が入院先の病院まで出張して相談に応じるものです。

弁護士は、入院中の方と面談して退院や処遇改善について相談に乗り、必要応じて法律で定められた退院請求や処遇改善請求などの制度について助言や説明をすることになります。

精神科病棟は、極めて閉鎖された空間であり、外部の目が届きにくく、人権侵害が発生した場合に、救済がされにくい場所です。
かつてから、精神科病棟の中で、入院患者が医師による人体実験に利用されたり、無給で強制的に労働させられたり、看護師等の暴力を受け死亡するなど、重大な人権侵害事件が繰り返されてきました。「新潟精神病院ツツガムシ病人体実験事件」、「宇都宮病院事件」、「大和川病院事件」など、多数の事件が明らかになっていますが、これらは氷山の一角で、この他にも明らかになっていない人権侵害が多数あったと言われています。

このような重大な事件の発生を受けて、現在では、法律上、精神科病院は、入院中の患者の代理人になろうとする弁護士との面会を制限できないことになっています。

このような事件を繰り返させないために、弁護士による出張相談を行う「精神保健相談」は、極めて大きな意義を持っていると自負しています。