はじめに

 平成29年6月10日、「少年院における少年の実情 ~少年法適用年齢引き下げの問題点を検討する~」をテーマに、子どもの日記念行事が開催されました。

 会場が一杯になるほどのたくさんの方にご来場いただき、この問題に対する社会の関心の高さがうかがわれました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

行事の内容

 まず、当会の朝倉寿宜会員(子どもの権利委員会委員)から、現在議論されている少年法適用年齢の引き下げに関して、どのような問題点があるのかについて、報告いたしました。

 その上で、愛知少年院長の伊藤達也さんから、少年院における教育内容について、分かりやすくご講演いただきました。

 併せて、愛知少年院で社会福祉士として勤務されている池知佳代子さんから、社会福祉士として、少年院の少年の立ち直りや社会復帰調整にどのような姿勢で臨んでおられるかについて、ご講演いただきました。

 最後に、伊藤達也さん、池知佳代子さん、当会の多田元会員(子どもの権利委員会委員)をパネリストにお迎えし、朝倉寿宜会員をコーディネーターとして、パネルディスカッションを行いました。非行内容や子どもたちの特質、子どもたちにはどのような教育が必要であるかというところから、少年法の適用年齢を引き下げるとどのような影響を受けるかというところまで、議論が深められました。

おわりに

 全体を通じて、少なくとも20歳未満の子どもたちは、(成人と同じ刑事手続によるのではなく、)少年院で教育を受ける機会を与えられる必要があるのだということを再認識させられる充実した内容でした。

 少年法適用年齢の引き下げを論ずるにおいては、少年院における子どもたちの矯正教育の実情を考慮した上で、十分な議論が行われることが必要です。

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