情報問題対策委員会では、「情報主権」を確立するための様々な取り組みをしています。

 普段の生活では、「情報主権」という言葉を耳にすることはほとんどありません。しかし、情報主権に関わる問題は、私たちの身近なところにたくさん存在しています。例えばニュースサイトを開いたとき、サイトでは私たちの関心のありそうな情報を自動で選別して表示してくれます。便利な機能である一方、異なる視点からの情報に接する機会が失われていないでしょうか。
 私たちが自分らしく生き、民主主義や基本的人権を守っていくためには、情報へのアクセスに私たちが主体的に関与できること―「情報の主権者」になること―が必要不可欠なのです。
 そこで、当委員会では、プライバシー、知る権利、情報公開、公文書管理などに関するさまざまな取り組みを行っています。

○ 自治体における個人情報保護のための取り組み―個人情報保護法改正を踏まえて

 令和5年に改正個人情報保護法が施行されました。その結果、自治体の個人情報保護制度は個人情報保護法に一本化され、法と異なる条例の規定を設けることができなくなりました。
 改正前は、自治体が個別に個人情報保護条例を制定しており、個人情報保護のための独自の工夫をしてきた自治体もありました。しかし、改正法の施行により、自治体によっては個人情報保護のレベルが後退することになったのです。

 そこで、当委員会では、改正法が自治体に与えた影響を調査し、改正法の下でも自治体に許容される取り組みを検討するため、愛知県内の自治体にアンケート調査を行いました。
 今後は調査結果を自治体に提供し、個人情報保護のための施策に役立てていただきたいと考えています。

○ シンポジウムを今年も開催します!

 当委員会では、毎年度シンポジウムを開催しています。
 昨年度は、「問題だらけのマイナ保険証を斬る!」をテーマに、ジャーナリストの斎藤貴男氏、愛知県保険医協会理事で歯科医師の杉藤庄平氏をお招きし、マイナ保険証にまつわるさまざまな問題点を皆様と一緒に考えました。

 今年度は、「ネット空間にあるのはリアル民意?それともバーチャル民意?―兵庫県知事選で何が起きたかを踏まえて」をテーマに、神里達博氏(千葉大学大学院国際学術研究院教授)をお招きし、ネット社会における民主主義の未来について皆様と一緒に考えます。6月28日(土)午後2時から、第1部では「ITと民主主義」と題した神里氏の基調講演を、第2部では神里氏と当委員会委員によるパネルディスカッションを行います。
 オンライン[Zoomウェビナー]とパブリックビューイング[愛知県弁護士会館5階]のハイブリッド開催となります。皆様奮ってご参加ください!

※ シンポジウムの詳細はこちら(別ページにリンク)

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