法科大学院委員会の活動


 当委員会は、法科大学院の支援、法科大学院生や修習生等の学習サポート、法曹志願者の増加等を目的として活動しています。当委員会主催のイベントとしては、法科大学院入学予定者に向けた入学前研修、司法試験を終えた方を主な対象としたロールーム、修習生を対象とした事前研修などがあります。

模擬法律相談・模擬接見


 他方、近年、法曹志願者の減少が懸念されています。
 そこで、当委員会では、法曹志望者の増加を目的として、名古屋大学の宮木康博教授のゼミと共催し、2018年度から、法律相談や被疑者との接見を大学生に模擬体験してもらう企画を毎年行ってきました。

2022年度の企画


 そして、5回目となる今年度は、この企画を他大学にも広げ、南山大学の岡田悦典教授のゼミにも参加していただき、総勢95名(教授2名・大学生76名・弁護士17名)で模擬接見を行いました(開催日時:2022年12月7日13時30分~19時30分、開催場所:名古屋大学東山キャンパス)。

 模擬接見では、弁護士が被疑者役を担当し、4人程度の学生グループが弁護士役として被疑者と接見して事情を把握した上で、弁護方針を立てるとともに、アドバイスや質問・要望への回答を行います。被疑者役のシナリオとしては、傷害罪の事例(正当防衛)、窃盗罪の事例(余罪の扱いが問題となる事案)、覚せい剤取締法違反(所持品検査の適法性が問題となりうる事案)の3つを用意しており、学生にはすべてのシナリオでの接見を体験してもらいました。
 弁護方針の確立や被疑者への助言・回答等をするには、法律知識が必要になるのはもちろんですが、各シナリオにはそれだけでは対処できない実践的な問題も散りばめられていました。被疑者からペットの世話を頼まれたら、皆さんならどうしますか。。。?
 こういった大学で学んだ知識のみでは難しい実務上の問題についても、学生はどうすべきか必死に考えていました。多くの学生が法律をしっかりと勉強していたことも感心しましたが、未知の問題にもなんとか対処しようとする姿勢は、法曹界の明るい未来を予感させました。
 なお、模擬接見の後は、弁護士と学生との「語る会」が行われ、弁護士を志したきっかけ、弁護士の働き方、試験勉強等について弁護士が話すとともに、学生からの質問に答える機会を設けました。


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 模擬接見や弁護士との懇親を通じて、弁護士やその仕事に興味を抱き、法律家を志すきっかけになってくれることを願って、当委員会では今後もこの企画を行う予定です。法曹志願者の増加のため、これからも尽力していきたいと思います。