紛争解決センター規則集
(紛争解決センターの設置)
(事業)
第2条 紛争解決センターは、次の事業を行う。
(1) 民事に関する紛争についての和解のあっせん及び仲裁の実施
(2) 紛争解決センターの行う事業の広報
(3) 紛争解決センターの目的を実現するため必要な事業
(運営)
第3条 紛争解決センターの運営は、愛知県弁護士会紛争解決センター運営委員会(以下「委員会」という。)が行う。
2 会長は、委員会の要請に基づき前条の事業(同条第1号の事業を除く。)の一部を愛知県弁護士会法律相談センターその他の機関に委託することができる。
(委員会の業務)
第4条 委員会は、紛争解決センターの運営に関する一切の業務を遂行するほか、この規則によって委任された事項について、必要な細則を定めることができる。
(あっせん・仲裁人候補者)
第5条 会長は、委員会の意見を聴いて、あっせん・仲裁人候補者を次に掲げる者の中から指名する。
(1) 登録10年以上の弁護士(この場合の登録年数には裁判官及び検察官の在職年数を算入する。)
(2) 弁護士以外の者であって学識経験者又は専門知識若しくは法律事務に精通する者(この場合の指名の基準は別に定める細則による。)
2 紛争解決センターは、指名されたあっせん・仲裁人候補者の名簿を作成し、常備する。
3 あっせん・仲裁人候補者の任期は3年とする。ただし、再任を妨げない。
(あっせん・仲裁人の選任)
第6条 あっせん・仲裁人の選任は、愛知県弁護士会あっせん・仲裁手続規則(規則第111号。以下「手続規則」という。)で定めるところによる。
(あっせん・仲裁人の職務)
第7条 あっせん・仲裁人は、手続規則に従い、独立して、あっせん・仲裁手続を行い、事件終了後は、和解契約書、仲裁判断書又は終了宣言書等あっせん・仲裁事件の結果を示す文書を添えて、紛争解決センターに報告書を提出しなければならない。
(専門委員)
第8条 紛争解決センターは、当事者若しくはあっせん・仲裁人の申出があった場合又は紛争解決センターが特に必要と認めた場合には、あっせん・仲裁人を補佐するため、弁護士、学識経験者、専門知識に精通する者又は法律事務に精通する者の中から、専門委員を選任することができる。
2 専門委員の選任は、別に定める細則による。
3 専門委員は、あっせん・仲裁人の指示を受け、あっせん・仲裁事件の解決のため必要な調査及び報告を行い、あっせん・仲裁人を補佐する。
(通訳人)
第9条 紛争解決センターは、あっせん・仲裁の当事者が日本語を話せない場合であって、当該当事者が通訳人を用意できないときは、外国語に精通する者の中から、通訳人を選任することができる。
2 通訳人の選任については、別に定める細則による。
(事務局)
第10条 本会に紛争解決センターの事務局を置く。
2 紛争解決センターの事務局員(以下「事務局員」という。)は、紛争解決センターの受付事務、呼出事務、事件記録の整理及び保管、送達事務、会計その他必要な事務を行う。
(役員等の手続等への関与の禁止)
第11条 本会の役員、委員会の委員、第3条第2項により事業を受託した機関及びその構成員並びに事務局員(以下「本会の役員等」という。)は、あっせん・仲裁人に法令並びに認証を受けた業務の内容及びその実施方法の定めを遵守させる場合のほかは、あっせん・仲裁人が手続の実施にあたり独立して職務を行うべき事項に関し、あっせん・仲裁人に対して直接又は間接にいかなる命令又は指示も行ってはならない。
2 あっせん・仲裁人は、前項の事項に関し、第三者(本会の役員等を含む。)のいかなる命令又は指示を受けず、中立性を保持しつつ公正に手続を進めなければならない。
(備付け書類)
第12条 紛争解決センターに次の書類を備え付ける。
(1) あっせん・仲裁人候補者名簿
(2) あっせん・仲裁事件受理簿
(3) あっせん・仲裁事件記録
(4) その他あっせん・仲裁事件の処理に関する書類
(あっせん・仲裁の申立て)
第13条 あっせん・仲裁の申立てをするには、紛争解決センターに対し、手続規則に従って書類を提出し、申立てをしなければならない。
(代理人の資格)
第14条 あっせん・仲裁手続において、弁護士以外の者が、当事者の代理人になろうとする場合には、紛争解決センターの許可を得なければならない。
2 あっせん又は仲裁の結果に利害関係を有する者(以下「利害関係人」という。)があっせん・仲裁手続に参加する場合も、前項と同様とする。
(あっせん・仲裁事件の受付)
第15条 あっせん・仲裁申立ての受付は、土曜日、休日、祝祭日及び年末年始を除き、毎日午前10時から午後4時までとする。
2 前項の受付の時間は、紛争解決センターが適宜変更することができる。
(あっせん・仲裁期日)
第16条 あっせん・仲裁期日は、愛知県弁護士会館若しくは西三河支部会館(以下「会館」と総称する。)内又は紛争解決センターの指定する場所において開催する。
2 会館内におけるあっせん・仲裁期日は、土曜日、休日、祝祭日及び年末年始を除く毎日午前10時から午後5時までの間に行う。
3 前2項の規定にかかわらず、あっせん・仲裁人は、必要があると認めるときは、その指定する場所及び時間において、あっせん・仲裁期日を行うことができる。
(あっせん・仲裁人等との委任契約)
第17条 紛争解決センターは、あっせん・仲裁事件につき、選任されたあっせん・仲裁人、専門委員及び通訳人との間であっせん・仲裁事件委任契約を締結する。
(あっせん・仲裁手数料)
(あっせん・仲裁人等に対する報酬)
第19条 紛争解決センターは、別に定める愛知県弁護士会あっせん・仲裁人報酬規則による報酬をあっせん・仲裁人、専門委員及び通訳人に支払うものとする。
(守秘義務)
第20条 あっせん・仲裁人、専門委員、通訳人及び本会の役員等は、紛争解決センターが行うあっせん手続又は仲裁手続の業務に関し知り得た秘密を他に漏らさない旨の守秘義務を負う。その職を退いた後も同様とする。
(記録等の保管・管理及び閲覧謄写)
第21条 紛争解決センターが作成する記録及び当事者から提出された証拠資料等の保管・管理及び閲覧謄写に関する事項は、手続規則及び別に定める細則による。
(特別の手続)
第22条 事件が特別の秘密保持を要する場合の手続、外国人又は外国語の関連する事件の手続、その他特別な手続を要する場合の手続は、別に定める細則による。
(目的)
第1条 この規則は、愛知県弁護士会紛争解決センター(以下「紛争解決センター」という。)におけるあっせん手続及び仲裁手続に関して必要な事項を定める。
(手続の主宰者)
第2条 あっせん手続及び仲裁手続は、第8条の規定により選任されたあっせん人又は仲裁人(以下本章において「あっせん・仲裁人」という。)がそれぞれ主宰する。
2 あっせん手続及び仲裁手続において、当事者及び関係者はあっせん・仲裁人の指揮に従わなければならない。
(あっせん・仲裁人の責務)
第3条 あっせん・仲裁人は、この規則その他のあっせん・仲裁に関する規則に従い、紛争当事者の意思を最大限尊重しつつ、独立して事案の究明及び紛争の解決に努め、公正かつ迅速な処理を行わなければならない。
(手続の非公開原則及び守秘義務)
第4条 紛争解決センターにおけるあっせん手続及び仲裁手続は、非公開とする。
2 あっせん・仲裁人、専門委員、通訳人、本会役員、愛知県弁護士会紛争解決センター運営委員会(以下「委員会」という。)委員、紛争解決センター事務局員(以下「事務局員」という。)であっせん手続又は仲裁手続に関与する者若しくは関与した者は、正当な理由なく、手続の係属、内容、結果その他職務上知り得た事実を他に開示してはならない。これらの者がその職を退いた後も同様とする。
3 紛争解決センターは、前項の規定にかかわらず、当事者双方の同意を得た場合又は紛争解決センターの事業に関する研究の資料に活用する場合等の正当な目的のため、関係当事者の氏名(弁護士であって、職務上の氏名を使用している者の場合には、職務上の氏名を含む。)又は名称及び住所等当事者が特定され得る事項を抹消したうえで開示することができる。
(単独体・合議体)
第5条 あっせん手続及び仲裁手続は、原則として1人のあっせん・仲裁人により行うものとする。ただし、当事者が求めた場合又は事案の性質上必要と認められる場合であって、紛争解決センターが相当と認めたときは、あっせん手続については2人又は3人の、仲裁手続については3人の合議体により行うことができる。
2 あっせん手続又は仲裁手続を1人のあっせん・仲裁人により行う場合にあってはそのあっせん・仲裁人は弁護士であることを要し、合議体により行う場合にあってはその内の1人は弁護士でなければならない。
(合議体の長)
第6条 合議体によりあっせん手続又は仲裁手続を行う場合、あっせん・仲裁人の互選により合議体の長を、選任しなければならない。
2 前項の規定による選任がされないときは、紛争解決センターが合議体の長を選任する。
3 第8条第2項の規定により合議体が構成された場合には、当事者選任のあっせん・仲裁人の合意による指名により選任されたあっせん・仲裁人又は紛争解決センターが選任したあっせん・仲裁人が合議体の長となる。
4 合議体の長は、あっせん手続又は仲裁手続を指揮する。
(合議体による手続の方式)
第7条 合議体により手続を行う場合、あっせん手続及び仲裁手続に関する事項並びに仲裁判断は、合議体構成員の過半数による採決によって行う。ただし、可否同数のときは、合議体の長がこれを決する。
2 前項の場合において、法令の解釈適用等の法的判断を伴う事項に関しては、弁護士であるあっせん・仲裁人の判断に従う。
(あっせん・仲裁人の選任)
第8条 あっせん・仲裁人の選任は、あっせん・仲裁人候補者名簿(以下「名簿」という。)に登載された者の中から当事者双方の合意により必要な数のあっせん・仲裁人を指名する方法で行う。ただし、あっせん・仲裁申立て時に当事者が一致して紛争解決センター所定の指名書を提出しない場合は、紛争解決センターが事案の内容等を勘案し、当該事案を担当するのに適任と考えられる者を、速やかに、名簿登載者の中から選任する。
2 3人の合議体によるあっせん・仲裁を行う場合は、前項に規定にかかわらず、紛争解決センターは、その指定した期日までに名簿に登載された者の中から各当事者にそれぞれ1人のあっせん・仲裁人を選任させ、その余の1人を各当事者が選任したあっせん・仲裁人2人の合意により名簿の中から選任させることができる。当該期日までに各当事者が選任できないとき又は各当事者が選任した各あっせん・仲裁人2人が合意によりその余の1人を選任できないときは、紛争解決センターが、前項に規定する基準により、名簿に登載された者の中からそれぞれ選任することができる。
3 前2項の規定にかかわらず、当事者双方が合意し、かつ、紛争解決センターが相当と認める場合は、名簿に登載された者以外の者(ただし、愛知県弁護士会紛争解決センター規則(規則第107号)第5条第1項に定めるあっせん・仲裁人候補者に準ずる資格又は専門知識を有すると認められる者に限る。)を、あっせん・仲裁人に選任することができる。
(あっせん・仲裁人の除斥、忌避、解任、辞任)
第9条 あっせん・仲裁人は、次に掲げる事由のいずれかにあたるときは、あっせん・仲裁手続から除斥される。
(1) あっせん・仲裁人又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
(2) あっせん・仲裁人が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき又はあったとき。
(3) あっせん・仲裁人が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
(4) あっせん・仲裁人が事件について証人又は鑑定人となったとき。
(5) あっせん・仲裁人が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき又はあったとき。
2 あっせん・仲裁人に選任されようとする者は当該選任を受ける前に、当該事件に関して前項各号に当たる場合又は、次のいずれかに該当する場合には、当事者及び選任者に対して開示しなければならない。ただし、当事者及び選任者が既にその事情を知っている場合はこの限りでない。あっせん・仲裁人が、これらの事情が発生したことを知ったときも同様とする。
(1) 仲裁人が、あっせん人として事件に関与し、一方当事者に開示されていない重要事実を知っているとき。
(2) あっせん・仲裁人に職務の公正さ及び独立性に疑いを生ぜしめるべき事情があるとき。
3 当事者は、あっせん・仲裁人につき次の事由があるときは、紛争解決センターに対して、当該あっせん・仲裁人を忌避することを申し立てることができる。
(1) あっせん・仲裁人につき前条各号又は前項各号に規定する事情が存在するとき。ただし、自己が指名したあっせん・仲裁人を忌避するには、当該指名後に知ることとなった事実を理由とするものでなければならない。
(2) あっせん・仲裁人が当事者の合意又は紛争解決センター諸規則で定めるあっせん・仲裁人の要件を具備しないとき。
4 紛争解決センターは、前項の申立てがあった場合は、忌避の理由があるか否かを調査・判断するため、速やかに、委員会の委員の中から3人の委員の合議体による小委員会を設置して理由の有無について調査し、理由があると認めるときには、当該あっせん・仲裁人を直ちに解任しなければならない。
5 当事者は、あっせん・仲裁人に次の事由のいずれかがあるときは、紛争解決センターに対し解任の申出をすることができる。この場合、紛争解決センターは、当該事由があると認めるときは、当該あっせん・仲裁人を解任するものとする。
(1) あっせん・仲裁人が法律上又は事実上その任務を遂行することができなくなったとき。
(2) あっせん・仲裁人がその任務の遂行を不当に遅滞させたとき。
(3) 当事者双方が解任に合意したとき。
6 あっせん・仲裁人は、正当な理由があるときは、紛争解決センターの承認を得て辞任することができる。
7 除斥、忌避、解任若しくは辞任又は死亡により、あっせん・仲裁人が欠けたときは、前条の規定により遅滞なく新たなあっせん・仲裁人を選任する。
8 第1項から第7項までの規定は、専門委員及び通訳人に準用する。
(期日)
第10条 あっせん期日又は仲裁期日(以下「期日」という。)は、当事者双方出席のもとに開催する。
2 紛争解決センターは、特別の事情がない限り、7日前までに当事者に期日及びその開催場所の通知(以下「期日の通知」という。)をしなければならない。
3 あっせん・仲裁人は、期日の通知を受けた当事者の一方が欠席した場合においても、期日を開催することができる。
(録音等の禁止)
第11条 当事者その他の期日に出席した者は、期日において録音、写真撮影又は録画をしてはならない。ただし、あっせん・仲裁人は、特別の必要があると認める場合は、これを許可することができる。
2 当事者その他の第35条第3項に規定する方法による手続に関与した者は、送受信される音声の録音をしてはならない。
(利害関係人の参加)
第12条 あっせん又は仲裁の結果に利害関係を有する者(以下「利害関係人」という。)は、当事者双方の同意があるときは、あっせん・仲裁人の許可を得てあっせん手続又は仲裁手続に参加することができる。
2 あっせん・仲裁人は、相当と認めるときは、当事者双方の同意を得て、利害関係人に対し、あっせん手続又は仲裁手続に参加するよう求めることができる。
3 あっせん・仲裁人は、前2項の規定に基づいて参加する者に対し、参加申出書その他必要な書類を提出させることができる。
(期日外準備)
第13条 あっせん・仲裁人は、期日外であっても、当事者に対し、事案の究明に必要な主張の整理、補充、証拠書類の提出その他必要な準備を命ずることができる。
(期日調書)
第14条 あっせん・仲裁人は、期日毎に期日調書を作成し、署名押印しなければならない。
2 前項の期日調書には日時、場所、出席者の氏名(弁護士であって、職務上の氏名を使用している者の場合には、職務上の氏名をいう。以下同じ。)及び手続の要旨を記載する。
3 前項に規定する事項のほか、第35条第3項に規定する方法による手続を行ったときは、第1項の期日調書には通話者の氏名、電話番号及び通話先の場所を記載する。
(書類の送達等)
第15条 あっせん又は仲裁に関する書類は、当事者に直接交付して送達する場合を除き、当事者の住所又は当事者が特に指定した場所に、紛争解決センターが郵便又はファクシミリ等により送達する。
2 仲裁に関する書類の送達は、民事訴訟法に定める送達の方法で行うことができる。
3 あっせん・仲裁申立書の写し(ただし、第33条第3項ただし書に規定する場合を除く。)、和解契約書原本、仲裁判断書の写し及び終了通知書は、当事者双方に対し、取下書及び離脱書は、他方当事者に対し、次のいずれかの方法により送達する。
(1) 配達証明付き郵便
(2) 当事者に対する直接の交付
(3) 仲裁法(平成15年法律第138号)第12条の規定に基づく送達
4 あっせん・仲裁の申立て時には請求が特定されておらず、申立て後に特定された場合で、相手方に請求を特定した書面を直接交付することができないときは、配達証明付き郵便をもって送達する。
5 期日の通知その他あっせん手続又は仲裁手続に必要な事項の通知は、紛争解決センターが口頭、書面その他適宜な方法により行うことができる。
(申立て)
第16条 あっせん又は仲裁を申し立てるには、申立人において紛争解決センターに対し、次の書類を提出するとともに特別の事情がある場合を除き申立手数料を納付しなければならない。
(1) 申立書
(2) 当事者が法人であるときはその代表者の資格を証明する書面
(3) 当事者間に仲裁の合意があるときは仲裁合意を証する書面(以下「仲裁合意書」という。)
(4) 当事者があっせん・仲裁人を指名するときは紛争解決センター所定の指名書
(5) 代理人により申し立てるときは委任状
2 申立人は、申立ての理由を基礎づける証拠書類があるときはその写しを、証拠物があるときはその証拠物を、速やかに、紛争解決センターに提出しなければならない。
(申立書の記載事項及び提出書類)
第17条 申立書には、次の事項を記載しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称並びに住所等
(2) 申立ての趣旨
(3) 申立ての理由
2 申立人は、申立書に、できる限り立証方法を記載するよう努める。
3 申立書及び証拠書類の写しの提出数は、相手方の数に選任されたあっせん・仲裁人の数及び1通を加えた数とする。
(手続の説明)
第18条 紛争解決センターは、あっせん・仲裁の申立てをしようとする者に対しては次条の申立ての受理に先立ち、相手方に対しては第33条第2項若しくは第43条第2項の通知とともに、次に掲げる事項について、これを記載した書面を交付し、又は、これを記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を提供して説明する。
(1) あっせん・仲裁人の選任に関する事項
(2) 当事者が支払う報酬又は費用に関する事項
(3) あっせん・仲裁手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行
(4) あっせん・仲裁手続において陳述される意見若しくは提出され若しくは提示される資料に含まれ、又は第29条に規定する記録に記載されている当事者又は第三者の秘密の取扱いの方法
(5) 当事者があっせん・仲裁手続を終了させるための要件及び方式
(6) あっせん・仲裁人があっせん・仲裁手続によっては、当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに、当該あっせん・仲裁手続を終了し、その旨当事者に通知すること。
(7) 当事者間に和解が成立した場合に書面を作成すること及び作成者、通数その他当該書面の作成に係る概要
2 あっせん・仲裁人は、相手方に対して前項により手続の説明ができなかったときは、相手方が最初に出頭した期日において、手続に先立ち、前項各号に掲げる事項について書面及び口頭で説明する。
3 紛争解決センターは、各当事者から前項の説明を受けた旨の書面を受領する。
4 本条の規定は、第12条第1項及び第2項の利害関係人について準用する。
(申立ての受理)
第19条 紛争解決センターは、あっせん又は仲裁申立てが第16条及び第17条に適合したときは、これを受理する。
(不受理及び受理の取消し)
第20条 紛争解決センターは、事案の内容その他が明らかにあっせん又は仲裁のいずれにも適しない場合は、前条の規定にかかわらず、当該申立てを受理しないことができる。
2 紛争解決センターは、前条の規定により受理した申立てについて、事案の内容その他が明らかにあっせん又は仲裁のいずれにも適しないと判明した場合、受理を取り消すことができる。
(あっせん手続の相手方の意思確認)
第21条 あっせんの申立てを受理した場合には、紛争解決センターは、速やかに、相手方があっせん手続に応じるか否かの意思を確認する。
2 紛争解決センターは、相手方に対し、あっせん手続に応じるか否かの回答を求める書面を送付し、回答書の返送を求める。
3 紛争解決センターは、前項に規定する方法により相手方の意思を確認できなかった場合は、相手方が出頭してきた最初の期日において、手続に先立ち、あっせん手続に応じるか否かの意思を確認する。
(手続の振り分け)
第22条 紛争解決センターは、申立て受理の時に当事者間に仲裁合意があるときは、第3章に規定する仲裁手続に入り、速やかに、第8条の規定により仲裁人を選任する。
2 紛争解決センターは、申立て受理の時に当事者間に仲裁合意がないときは、第2章に規定するあっせん手続に入り、速やかに、第8条の規定によりあっせん人を選任する。
(答弁書の提出)
第23条 紛争解決センターは、相手方に対し、期日を指定して答弁書の提出を求めることができる。
2 前項の答弁書には、次の事項を記載しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称並びに住所等
(2) 事件番号
(3) 答弁の趣旨
(4) 答弁の理由及び立証方法
3 相手方が代理人を付す場合には、委任状を提出しなければならない。
4 相手方は、答弁の理由を基礎づける証拠書類があるときは、速やかに、その証拠書類の写しを紛争解決センターに提出しなければならない。
5 相手方の提出する答弁書及び証拠書類の写しについては、第17条第2項及び第3項の規定を準用する。
(あっせん・仲裁手続の期間)
第24条 あっせん・仲裁人は、原則として3回以内の期日であっせんを行い、又は審理を結了して、速やかに仲裁判断を示すよう努めるものとする。
(申立ての変更)
第25条 申立人は、相手方の同意及びあっせん・仲裁人の承認を得て、申立ての変更をすることができる。
(反対請求)
第26条 相手方は、審理結了前に限り、同一の事件から生ずる反対請求の申立てを行うことができる。
2 前項の反対請求は、特別の事情がない限り、申立人の申立てにかかるあっせん又は仲裁事件と併合して審理する。
(不受理等の通知)
第27条 紛争解決センターは、あっせん、仲裁及び反対請求申立ての不受理又は受理の取消し、取下若しくは仲裁申立ての却下がなされた場合、当事者に対し、速やかに、その旨通知しなければならない。ただし、相手方に対しあっせん・仲裁の申立てがあったことを通知する書面が送達されるまでは、申立人に通知すれば足りる。
2 前項の規定は、あっせん・仲裁人が利害関係人の参加の申出を許可しない場合について準用する。
(あっせん・仲裁における履行確保)
第28条 紛争解決センターは、当事者からの申出があるときは、和解契約又は仲裁判断の履行状況を調査し、他方当事者に対して、義務の履行を勧告することができる。
(あっせん・仲裁手続における記録作成)
第29条 紛争解決センターは、あっせん・仲裁手続ごとに、次に掲げる事項を記載した記録を作成する。
(1) 当事者と紛争解決センターとの間で、あっせん・仲裁手続を実施する契約を締結した年月日
(2) 当事者及びその代理人の氏名又は名称
(3) あっせん・仲裁人の氏名
(4) 申立ての内容
(5) あっせん手続又は仲裁手続の実施の経緯
(6) あっせん手続の結果(あっせん手続の終了の理由及びその年月日を含む。)
(7) あっせん手続の終了の結果が和解の成立である場合にあってはその和解の内容、仲裁手続の終了の結果が仲裁判断である場合にあってはその仲裁判断の内容
(記録等の保管・管理)
第30条 紛争解決センターは、前条の記録及び当事者から提出された主張書面及び証拠資料については、あっせん・仲裁手続が行われている間は紛争解決センターの事務所内の保管庫に保管し、当該手続終了後も引き続き10年間その事務所内の保管庫に保管し、当該期間経過後に廃棄するものとする。ただし、当事者の提出した証拠資料が証拠物であるときは、当該手続の終了後、速やかに、提出者に返還するものとする。
2 紛争解決センターは、和解契約書原本及び仲裁判断書原本を当該手続終了後30年間その事務所内の保管庫に保管し、当該期間経過後に廃棄するものとする。
3 紛争解決センターは、事務局員のうちから記録管理責任者を任命し、あっせん・仲裁手続の業務に関する事実が記載されている記録等に対する盗難又は不正アクセスを防止するための記録管理を行わせる。
4 あっせん・仲裁事件の当事者は、和解契約書原本及び仲裁判断書原本を閲覧謄写することができる。
5 記録の保管・管理及び閲覧・謄写に関する事項は、別に定める細則による。
(免責)
第31条 あっせん・仲裁人、専門委員、通訳人、本会の役員、委員会の委員、愛知県弁護士会紛争解決センター規則第3条第2項により事業を受託した機関及びその構成員又は事務局員は、故意又は重過失による場合を除き、あっせん・仲裁手続に関する作為又は不作為について何人に対しても責任を負わない。
(苦情処理手続)
第32条 あっせん・仲裁手続に対する苦情は、口頭(電話を含む。)又は書面(ファクシミリを含む。)により、紛争解決センターに申し出ることができる。
2 紛争解決センターは、前項の申出を受けた場合、申出の内容を記録にとどめるとともに、苦情申出にかかる事件につき、調査を行うことができる。
3 調査の結果、必要があるときは、紛争解決センターは適宜の措置をとることができる。
4 紛争解決センターは、必要がある場合には、苦情を申し立てた者に対し、確認した事実及び苦情処理の結果を口頭(電話を含む。)又は書面(ファクシミリを含む。)で通知する。
(あっせん手続の開始)
第33条 あっせん手続は、あっせんの申立て若しくは仲裁合意のない仲裁申立てを紛争解決センターが受理したときに開始する。
2 紛争解決センターは、あっせん手続開始後速やかに、当事者双方に、あっせん人の氏名、あっせん期日、開催場所、あっせん手続の概要等必要な事項の通知をしなければならない。ただし、第8条第2項の規定により3人のあっせん人を選任する場合には、先に当事者双方に名簿を送付してあっせん人を選任した上で、その通知をしなければならない。
3 紛争解決センターは、あっせん手続開始後、速やかに、申立書の写し及び申立人から提出のあった証拠書類の写しを相手方に送達する。ただし、あっせん人が適当と認めるときは、これらの書類の一部のみを相手方に送付し、又は申立ての概要のみを適当な方法で相手方に伝達してこれらの書類の全部を送達しないことができる。
(当事者の一方のみの出席を求めて開催する期日)
第33条の2 あっせん人は、第10条第1項の規定にかかわらず、事案の内容に照らして同一期日に当事者双方の出席を求めることが相当でないと認める場合は、当事者の一方のみの出席を求めてあっせん期日を開催することができる。
2 前項の場合において、紛争解決センターは、前条第2項の規定にかかわらず、出席を求めた当事者に対して期日の通知をすれば足りるものとする。
(手続の定め)
第34条 あっせん手続は、この規則及び委員会が定める細則により行う。
(審理)
第35条 あっせん人は、あっせん期日において、当事者を個別に、又は双方同席のもとで事実関係等を聴取する。
2 あっせん人は、あっせん期日において事実を調査し、必要と認める場合には、当事者の申立て又は職権をもって証人若しくは鑑定人の取調べを行い、又はその他の証拠調べを行うことができる。
3 あっせん人は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、あっせん人と当該当事者又はあっせん人と当事者双方とが音声の送受信により通話することができる方法によって、期日における手続を行うことができる。
(和解案)
第36条 あっせん人は、事件の全部又は一部について和解案を出すことができる。当事者双方が希望する場合、あっせん人は和解案を出すよう努めなければならない。
2 和解案は、書面又は口頭で当事者双方に示すものとする。
3 当事者は、和解案に対して諾否の自由を有する。
4 和解案を当事者の一方又は双方が拒否した場合でも、あっせん人はさらにあっせん手続を継続することができる。
(和解の成立)
第37条 あっせん期日において当事者間に合意が成立したときは、あっせん人は、和解契約書を作成して当事者双方に記名押印又は署名させ、和解契約成立の証人としてこれに署名押印する。
2 前項の和解契約書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は所在地
(2) 和解契約の内容
(3) 成立手数料、鑑定料、交通費、日当等の費用に関する当事者の負担割合に関する定め
(4) 和解契約書作成の日
3 第1項の和解について、当事者双方が仲裁を合意し仲裁合意書を提出の上、その和解の内容を仲裁判断主文とする仲裁判断書の作成を求めた場合、あっせん人は、仲裁判断には執行力が伴うことを当事者に説明しなければならない。あっせん人が仲裁判断を行うことが適当と判断する場合には仲裁人となり、その内容の仲裁判断を行うことができる。この場合、第5条第1項ただし書の規定にかかわらず、当該あっせん手続を担当したあっせん人のみで仲裁判断を行うことができる。
4 前項の場合、第51条の規定を準用する。ただし、仲裁判断書には和解に基づく判断であることを明示する限り、判断の理由を付することを要しないものとする。
第37条の2 あっせん人は、当事者が遠隔の地に居住していることその他の事由によりあっせん期日に出席することが困難であると認める場合は、当該当事者(第3項及び次条第1項において「欠席予定当事者」という。)があらかじめ和解契約書に記名押印又は署名押印して紛争解決センターに提出し、他の当事者(次項において「出席当事者」という。)があっせん期日に出席して当該和解契約書に記名押印又は署名する方法により、和解契約を成立させることができる。
2 前項の和解契約書には、前条第2項各号に掲げる事項を記載するほか、出席当事者が和解契約書に記名押印又は署名したときに和解契約が成立する旨を付記しなければならない。
3 第1項の規定により和解契約を成立させる場合において、あっせん人は、当該あっせん期日以前に、欠席予定当事者の記名押印又は署名押印が欠席予定当事者の意思に基づくものであることを確認しなければならない。
4 第1項の規定により和解契約を成立させる場合において、あっせん人は、和解契約成立の証人として和解契約書に署名押印する。
第37条の3 前条第1項に規定する場合において、欠席予定当事者があっせん期日に欠席したときは、あっせん人は、あっせん期日に出席した当事者があっせん人から提示された和解案を受諾する旨の書面(以下「受諾書」という。)に記名押印又は署名して提出し、欠席した当事者(第3項において「欠席当事者」という。)が当該和解案の送付を受けて受諾書に記名押印又は署名押印して紛争解決センターに提出する方法により、和解契約を成立させることができる。
2 前項の受諾書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 第37条第2項第1号から第3号までに掲げる事項
(2) あっせん人が次項の規定に基づき和解書を作成したときに和解契約が成立する旨
(3) 受諾書作成の日
3 第1項の規定により和解契約を成立させる場合において、あっせん人は、欠席当事者の記名押印又は署名押印が欠席当事者の意思に基づくものであることを確認した上で、次に掲げる事項を記載した和解書を作成し、各当事者が提出した受諾書をこれにつづる。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は所在地
(2) 受諾書に記載した和解条項のとおり当事者間に和解契約が成立した旨
(3) 和解書作成の日
4 あっせん人は、前項の和解書に和解契約成立の証人として署名押印し、毎葉のつづり目に契印をする。
(仲裁手続への移行)
第38条 あっせん人は、あっせん手続のいかなる段階においても、当事者双方に対し、仲裁の合意をして仲裁手続に移行する意思の有無について確認することができる。
2 あっせん手続の進行中に当事者双方が仲裁の合意をし、仲裁合意書を提出して仲裁を申し立てたときは、あっせん手続は終了し、第3章に規定する仲裁手続に移行する。この場合、当事者双方が異議を述べない限り、あっせん手続を行っていたあっせん人が引き続き仲裁人になることとし、当事者双方又は一方が異議を述べたときは、第8条の規定により新たな仲裁人を選任する。
3 前項の場合、当該あっせん人は、あっせん手続において仲裁判断に影響するべき重要な情報等であって他方当事者に開示されていないものを一方当事者から得ている場合には、仲裁人になる前に当該当事者の同意を得てこれらを相手方に開示し、さらに第1回仲裁期日において仲裁手続における争点を各当事者とともに再確認しなければならない。ただし、既に仲裁判断書が作成され、当事者に交付されている場合はこの限りでない。
4 前項に規定する開示に当該当事者が同意しない場合、あっせん人は、相手方に対して、開示できない重要情報等があることを告知しなければならない。この場合、あっせん人は仲裁人になることを拒否することができる。
5 前項の規定によりあっせん人が仲裁人になることを拒否した場合には、第8条の規定により新たな仲裁人を選任する。
(記録の移管)
第39条 前条第2項の規定により仲裁手続に移行した場合、改めて仲裁申立書の提出を要せず、あっせん手続における記録のうち、当事者の提出した主張及び証拠は、当事者の援用により仲裁手続に移管される。ただし、第33条第3項の規定により相手方に送達されていない主張及び証拠であってあっせん人の判断により他方当事者に開示されていなかった主張及び証拠のうち前条第3項の規定により提出した当事者の同意を得た主張及び証拠については相手方並びに他方当事者へ副本を送達することを要する。
(申立ての取下)
第40条 申立人は、いつでも申立ての全部又は一部を取り下げることができる。
2 申立人がその申立てを取り下げようとする場合には、次に掲げる事項を記載した書面を紛争解決センターに提出しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称
(2) あっせんの申立ての全部又は一部を取り下げること。
(3) 取下年月日
(相手方の手続からの離脱)
第41条 相手方は、いつでもあっせん手続から離脱することができる。
2 相手方はあっせん手続から離脱しようとする場合には、次に掲げる事項を記載した書面を紛争解決センターに提出しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称
(2) あっせんの手続から離脱すること。
(3) 離脱年月日
(あっせん手続の終了宣言)
第42条 あっせん人は、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、あっせん手続が終了したことを宣言することができる。
(1) 相手方があっせんに応ずる意思がないとき。
(2) 当事者が、正当な理由なく、3回以上の期日又は連続して2回以上の期日に欠席したとき。
(3) 当事者があっせん人の指揮に従わないとき。
(4) 当事者があっせんに要する費用を定められた期日に納付しないとき。
(5) 事案があっせんに適しないと認めたとき。
(6) 紛争の性質、期日における当事者の態度その他の事情を総合的に勘案して和解成立の見込みがないと判断したとき。
(7) 第38条第2項の規定により仲裁手続に移行したとき。
2 前項の規定によりあっせん手続が終了したときは、あっせん人は、理由の要旨を記載した終了宣言書を作成し、紛争解決センターは、終了宣言書に基づいて終了通知書を作成する。
(仲裁手続の開始)
第43条 仲裁手続は、当事者の仲裁合意書が付された仲裁申立てを紛争解決センターが受理したとき又は第37条第3項若しくは第38条第2項の規定によりあっせん手続中に仲裁合意書の提出による仲裁申立てがあったときに開始する。
2 紛争解決センターは、仲裁手続開始後、速やかに、仲裁人の氏名(第38条の規定により従前のあっせん人が仲裁人となる場合を除く。)、仲裁期日、開催場所、仲裁手続の概要等その他必要な事項を当事者に通知する。
3 前項の規定にかかわらず、第8条ただし書の規定により3人の仲裁人を選任する場合は、先に当事者双方に名簿を送付して仲裁人を選任したうえで、前項の通知をしなければならない。
4 紛争解決センターは、仲裁手続開始後、速やかに、申立書の写し及び申立人から提出のあった証拠書類の写しを相手方に送達する。ただし、第37条第3項又は第38条第2項の規定によりあっせん手続から仲裁手続に移行した場合であって、既に相手方がこれらの書類を交付されているときはこの限りでない。
(手続の定め)
第44条 仲裁手続は、この規則及び委員会が定めるその他の細則により行う。
2 この規則及び委員会が定める細則に定めのない事項については、仲裁法の規定に従う。ただし、当事者双方が仲裁法の強行規定に反しない限度で仲裁の手続的事項を合意した場合であって、この規則の趣旨に反しないと仲裁人が認めるものについては、当事者及び仲裁人はこれに従う。
3 その他、仲裁人は、適当と認めるときは、当事者の意見を聴き、仲裁法の強行規定に反しない限度で、任意に手続的事項を定めることができる。
(審理)
第45条 当事者は、仲裁手続において、事案について説明する十分な機会が与えられなければならない。
2 仲裁人は、仲裁期日において、当事者が別段の合意をしない限り双方が出頭している場合には双方同席のもとで事実関係等を聴取し、証拠調べを行う。
3 仲裁人は、仲裁期日において書証を取り調べ、必要と認める場合には、当事者の申立て又は職権をもって証人若しくは鑑定人の取調べを行い、又はその他の証拠調べを行うことができる。
(時機に遅れた攻撃防御方法の制限)
第46条 仲裁人は、時機に遅れた主張、証拠の提出等、迅速・公正な仲裁の趣旨に反すると認める主張・立証活動については、当事者の意見を聴いて制限することができる。
(暫定処置又は保全処置)
第47条 仲裁人は、別段の合意がない限り、一方の申立てにより、いずれの当事者に対しても、紛争の対象について必要と認める暫定処置又は保全処置を講じることを命じることができる。
2 仲裁人は、前項の暫定処置又は保全処置を講じることを命じるに当たり、相当な担保の提供を命じることができる。
(審理の終了)
第48条 仲裁人は、事案が仲裁判断をするに熟したと認めるときは審理の結了を宣言しなければならない。
2 仲裁人は、審理の結了を宣言した後であっても、必要と認める場合には審理を再開することができる。
(和解、和解・あっせんの勧試)
第49条 当事者双方は、仲裁手続のどの段階においても、和解によって紛争を解決することができる。
2 当事者双方の承諾がある場合は、仲裁人は、仲裁手続に付された民事上の紛争について和解を試みることができる。
(和解による解決)
第50条 仲裁人は、仲裁手続の進行中において、仲裁手続に付された民事上の紛争について当事者間に和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあるときは、当該和解における合意を内容とする決定をすることができる。
2 前項の決定は、仲裁判断としての効力を有する。
3 第1項の決定をするには、第51条第1項及び第2項の規定に従って決定書を作成し、かつ、これに仲裁判断であることを表示しなければならない。
(仲裁判断書の作成及び記載事項)
第51条 仲裁人が仲裁判断をしたときは、仲裁判断書を作成し、署名押印又は署名しなければならない。合議体で仲裁判断を行った場合で一部の仲裁人が署名捺印又は署名できない事情があるときは、合議体の過半数の仲裁人が署名捺印又は署名し、署名捺印又は署名できない理由を記載しなければならない。
2 前項の仲裁判断書には、次の事項を記載しなければならない。ただし、第4号については、当事者がこれを記載することを要しない旨合意している場合は、この限りでない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称、住所
(2) 主文
(3) 仲裁成立手数料、鑑定料、交通費、日当等の費用に関する当事者双方の負担額
(4) 判断の理由
(5) 判断書作成の年月日
(6) 仲裁地
3 紛争解決センターは、仲裁判断書の原本を保管する。
(申立ての取下)
第52条 申立人は、申立ての全部又は一部を取り下げることができる。ただし、相手方が取下に異議を述べ、かつ、仲裁手続に付された民事上の紛争解決について相手方が正当な利益を有すると仲裁人が認めるときは、この限りでない。
2 申立人がその申立てを取り下げようとする場合には、次に掲げる事項を記載した書面を紛争解決センターに提出しなければならない。
(1) 当事者及び代理人の氏名又は名称
(2) 仲裁の申立ての全部又は一部を取り下げること。
(3) 取下年月日
(仲裁申立ての却下)
第53条 仲裁人は、当事者が行った仲裁合意が無効又は取り消しうるなど、仲裁人が仲裁権限を有しないと認めたときは、本案の判断をすることなく仲裁申立てを却下しなければならない。
2 仲裁人は、次の各号に掲げる事由がある場合には、本案の判断をせずに仲裁申立てを却下することができる。
(1) 当事者双方が仲裁期日に出席しないとき。
(2) 当事者双方が仲裁人の指揮に従わないため十分な審理が困難であるとき。
(3) 当事者が仲裁に要する費用を定められた期日に納付しないとき。
(4) 事案が仲裁に適しないと認めたとき。
(仲裁手続の終了決定)
第54条 仲裁人は、次の各号のいずれかに該当する事由があるときには仲裁手続の終了決定をしなければならない。
(1) 申立てが取り下げられたとき。
(2) 申立てが却下されたとき。
(3) 当事者双方が仲裁手続を終了させる旨の合意をしたとき。
(4) 仲裁手続に付された紛争について当事者間に和解が成立したとき(第50条第1項の決定があったときを除く。)。
2 前項の規定により仲裁手続が終了したときは、仲裁人は、理由の要旨を記載した終了決定書を作成し、紛争解決センターは、終了決定書に基づいて終了通知書を作成する。
(あっせん・仲裁手数料の種類)
第1条 あっせん・仲裁手数料は、申立手数料、利害関係人の参加手数料、成立手数料及びその他の諸費用とする。
(申立手数料)
第2条 申立人は、愛知県弁護士会紛争解決センター(以下「紛争解決センター」という。)に対し、あっせん・仲裁申立てに際し、申立手数料として金1万円を持参又は送金により納付する。
2 紛争解決センターは、特別の事情がある場合は、前項の申立手数料を減免することができる。減免の基準は、別に定める細則による。
3 紛争解決センターは、受領した申立手数料を返還しない。ただし、次の各号に掲げる場合は、当該各号に定める金額を返還する。
(1) 紛争解決センターが第1項の申立手数料を受領した後に前項の規定により減額したときはその額
(2) 相手方があっせん・仲裁期日に1回も出席しないままあっせん・仲裁手続が取下げ又は終了宣言により終了したときは、申立手数料の2分の1に相当する金額
(3) 紛争解決センターがあっせん・仲裁申立ての受理を取り消したときは、申立手数料の全額
(成立手数料)
第3条 申立人及び相手方は、和解契約が成立した場合又は仲裁判断がなされた場合には、紛争解決センターに対し、和解契約書又は仲裁判断書に解決額として示された経済的利益の額を紛争の価格として、これに次の基準により算定した成立手数料(千円未満の端数は切捨て)を、本条第4項の規定により定める負担割合により共同して納付する。
(1) 100万円以下の場合 8%
(2) 100万円を超え200万円以下の場合 5%に3万円を加えた額
(3) 200万円を超え500万円以下の場合 3%に7万円を加えた額
(4) 500万円を超え5000万円以下の場合 2%に12万円を加えた額
(5) 5000万円を超え1億円以下の場合 1%に62万円を加えた額
(6) 1億円を超える場合 0.5%に112万円を加えた額
2 前項の場合において、紛争の価格を算定することが困難なときは、あっせん・仲裁人が具体的事案の内容を勘案し、50万円、100万円、300万円又は500万円のいずれかに定める。
3 前2項の場合において、紛争解決センターは、特別の事情があるときは、あっせん・仲裁人の意見に基づき、成立手数料を減免することができる。減免の基準は、別に定める細則による。
4 あっせん・仲裁人は、和解成立時又は仲裁判断時に成立手数料に関する当事者間の負担割合及び額を定めて、これを両当事者に告知し、和解契約書又は仲裁判断書に記載する。
5 成立手数料は、和解契約書又は仲裁判断書の送達前に持参又は送金により納付する。
(その他の諸費用)
第4条 あっせん・仲裁の審理に要する鑑定費用、証人日当、現場検証のためのあっせん・仲裁人旅費日当、通訳人費用その他の諸費用については、紛争解決センターがあっせん・仲裁人の意見を聴いて各当事者間の負担割合及び負担額を定め、各当事者はそれに従って紛争解決センターへ持参又は送金により納付する。
2 前項の費用は、別に定める細則により決定する。
(利害関係人に対する準用)
第5条 紛争解決センターはあっせん手続又は仲裁手続に参加した利害関係人に対し、あっせん・仲裁人の意見を聴いて、参加手数料及び成立手数料等の全部又は一部の納付を求めることができる。
2 前項の参加手数料及び成立手数料等については、第2条から前条までの規定を準用する。
(消費税)
第6条 本手数料規則に定める額は、消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)に基づき紛争解決センターの役務に対して課せられる消費税及び地方消費税に相当する額(以下「消費税等相当額」という。)を含まない。
2 当事者は、本手数料規則に定める申立手数料、参加手数料、成立手数料を支払う際には、消費税等相当額を加算して支払うものとする。
(目的)
第1条 本会は、簡易な手続により、紛争の迅速、公正な解決を行うことを目的として、愛知県弁護士会紛争解決センター(以下「紛争解決センター」という。)を設置する。
(事業)
第2条 紛争解決センターは、和解のあっせん、仲裁その他規則で定める事業を行う。
(運営)
第3条 紛争解決センターは、会長が統轄し、その運営は、特別委員会が行う。
(規則事項)
第4条 あっせん・仲裁の手続、利用者の負担する手数料、あっせん・仲裁人に支払う報酬その他紛争解決センターの運営に関する事項は、規則をもって定める。