会報「SOPHIA」 平成27年4月号より

リニア新幹線建設予定地(中津川周辺)視察


公害対策・環境保全委員会 委員
伊 東 正 裕

1 当委員会では、これまで、リニア新幹線の建設によって生じる環境への影響について議論・検討を続けてきました。そして、昨年10月には名古屋大学名誉教授の糸魚川淳二氏を講師として当会に招き、リニア建設が環境に与える影響について勉強会を開催しました。

そして、4月8日、同氏のご案内で、リニア建設が、地下水や植生、景観や社会環境その他に与える影響などを実地調査すべく、リニア新幹線の地上部分の建設予定地が含まれる中津川周辺の視察を実施し、当会から10名、岐阜県弁護士会から4名が参加しました。

2 視察では、阿木川鉄橋やリニア中津川駅、リニア車両基地や木曽川鉄橋といったリニア関連各施設の建設予定地のほか、これらの施設付近に点在する、ハナノキ、シデコブシの各自生地などを訪れ、現在の状況を実際に確認しながら、リニア建設に伴う影響について検討をしていきました。

3 今回訪れた中津川市及びその周辺では、シデコブシ、ハナノキをはじめとする15種の絶滅危惧植物の自生地がありますが、リニア建設に伴う造成工事、構造物設置によって、湿地を涵養する水供給路が断絶される等の水環境の変化が生じ、これらの植物に甚大な影響が及ぶことが懸念されます。

4 リニア新幹線は、建設工事段階における大量の残土や地下水脈破断といった環境影響が懸念されるだけでなく、運行供用後も、大量の電力消費や電磁波による影響などの問題が生じることが予想されます。大半の区間をトンネルで走行する計画とされていますが、騒音や振動等による環境への悪影響の可能性が払拭できたわけではありません。当会では引き続きこの問題について取組を続けます。



阿木川鉄橋建設予定地



リニア中津川駅建設予定地



シデコブシ自生地(岐阜県天然記念物)