会報「SOPHIA」 平成26年12月号より

支部だより

西三河「法の日」記念行事開催される!



西三河支部記念行事委員会 委員
近 藤 信 彦


11月29日、岡崎市商工会議所大ホールにて「法の日」記念行事が開催されました。


今年は「いったい何なんだ!雨宮処凛と今を考える」との題名で、かつて「ミニスカ右翼」と形容され、その後は「ゴスロリ作家」の左派系論者に転向したという異色の経歴を持つ、雨宮処凛さんをゲストとしてお迎えし、2部構成で討論を行いました。


行事当日は、開場30分前から多くの観客が訪れ、当初用意していた客席用の椅子と机が足りなくなり、委員が急遽増席するほどの盛況ぶりでした。雨宮さんの書籍の販売会も実施され、販売ブースには雨宮さんのサインを求めて長蛇の列が出来ていました。


さて、2部構成のうち第1部は、当会市村陽平会員をインタビュアーとし、「雨宮処凛と考える7の質問」と題して対話形式で雨宮さんのお考えを伺いました。質問の内容は、1.雨宮さんの思想の原点、2.イラク・北朝鮮での発見、3.反原発・脱原発、4.格差問題、5.無関心・ネット右翼・ポピュリズム、6.生活保護問題、7.憲法の価値の7つです。
インタビューは大変好評で、アンケートでも雨宮さんと市村会員の話が噛み合っていて、とてもわかりやすかった、とご好評をいただきました。そんな市村会員の巧みな話術により、雨宮さんの次のような考えをご披露いただきました。すなわち、利益至上主義の社会においてメリットのない人間がどんどん切り捨てられていると考えていること、切り捨てられた人は差別し、敵を創ることでしか自我を保てず、差別と敵意の連鎖の社会となってしまっていること、イスラム国へ赴こうとした若者は、そんな社会を嫌いやりがいを求めていたこと、でもイランではイスラム国のために180万人が避難していることを今の日本国民は知らず、そうであるにも関わらず集団的自衛権を語ることはナンセンスであること、貧困な人はその日のことしか考えられないが、それでは連鎖から抜け出せず、生活保護はその有効な対応策であることなどの、鋭く、純粋なお考えをご披露いただきました。


第1部と第2部の間の休憩時間には、会場にお越しいただいた市民の方から、雨宮さんに対する質問を募りました。こちらも予想以上の数に上り、当会杉浦龍至会員は全ての質問を雨宮さんにぶつける予定でしたが、一部の質問をするのが精一杯でした。


第2部では、杉浦会員をコーディネーターとし、1部でインタビュアーを務めた市村会員の他、新海聡会員、高美奈会員、鈴木典子会員をパネリストとして、雨宮さんと共に1部で出た問題について、議論によってより深化させました。無関心層について、結局無関心で声を上げないということは追認に過ぎないこと、現在のデモは街コンのようにポップで若者が参加しやすくなるよう工夫されていることから始まり、現代社会の生きづらさの根源がどこにあるのか、朝日新聞をバッシングする他のマスコミの問題点、情報に惑わされず取捨選択する方法、子や孫へ雨宮さんが伝えたいこと等、多岐にわたる議論がなされました。


第2部終了後、当会西三河支部長天野太郎会員の挨拶、雨宮さんによる書籍の販売・サイン会があり、その後の懇親会にもご出席いただき、行事は終了しました。140名の出席、「来年も是非参加したい」との暖かいアンケート結果等、行事は大成功でした。