会報「SOPHIA」 平成26年9月号より

日弁連第57回人権擁護大会プレシンポジウム
「ともに働こう〜改正障害者雇用促進法施行に向けて〜」開催


高齢者・障害者総合支援センター運営委員会 委員
服部 一将

1 はじめに

9月20日、栄ガスビル501会議室において、当会主催の障がい者雇用に関するシンポジウムが開催され、135名の参加者がありました。10月2日、3日に北海道函館市にて開催される日弁連第57回人権擁護大会では、シンポジウム「障害者権利条約の完全実施を求めて−自分らしく、ともに生きる−」が開かれますが、本シンポジウムは、人権擁護大会のプレシンポジウムとして開催されました。


2 当会会員による企業訪問

本シンポジウムに先立ち、当委員会の委員20名で手分けして、障がい者を先進的に雇用している企業19社を訪問しました。そして、企業訪問をした委員によって企業訪問報告書を作成して本シンポジウムの資料としました。


3 講演「障がい者千人雇用への取り組み」

本シンポジウムは、岡山県総社市長の片岡聡一さんの基調講演で第1部の幕を開けました。人口約6万8000人の岡山県総社市では、平成23年から、障がい者1000人の雇用を目指すという一大プロジェクトが始まっています。「障がい者千人雇用推進条例」を制定し、市内に障害者就労・生活支援センターがないため「障がい者千人雇用センター」を設置しています。「障がい者千人雇用センター」には、ハローワークの職員用の席も設けられ、週に2回ほどハローワークの職員がやってきます。片岡市長は、こうした障がい者雇用1000人を目指した取り組みを熱く語ってくださいました。市とハローワークの連携が進んでいる事例は珍しく、小規模自治体ながら逆に小回りのきく取組がなされていると感じました。


4 ミニ講座「障害者権利条約と改正障害者雇用促進法」

第2部の冒頭では当委員会委員の田中伸明会員(61期)による、日本が本年に批准した障害者権利条約と、批准前に改正された障害者雇用促進法についての解説が行われました。


5 パネルディスカッション

続いて、当委員会委員の熕X裕司会員によるコーディネートの下、片岡市長、障がい者の就労支援にあたっているなごや障害者就業・生活支援センター長酒井英夫氏、名古屋市内で4名の障がい者を雇用している有限会社進工舎を経営している田中誠社長によるパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションでは、障がい者を雇用するにあたってどのような工夫が可能か(職場実習やトライアル雇用制度の活用等)、どのようにして障がい者雇用を継続するかなどについて意見が交わされ、田中社長の障がい者雇用に対する熱い思いが感動的でした。各企業がこれから障がい者雇用に取り組んでいくにあたり、参考となる集会だったのではないかと思います。