会報「SOPHIA」 平成26年8月号より

今年も盛況!裁判官・検察官・弁護士
〜ここだけの話〜


法教育委員会 委員
若山 朋代

サマースクール2日目。今年も体験講座の1つとして「裁判官・検察官・弁護士 ここだけの話」が開催されました。


この企画は、午前・午後に2チームずつ、計4チームに分かれ、それぞれのチームに法曹三者が1名ずつと、司会役として弁護士が1名参加し、中高生と気軽に話をする中で、普段はなかなか聞けない「ここだけの話」を聞いてしまおう!という企画です。


大半の中高生にとって法曹三者と交流するのは初めての体験。緊張した面持ちの中高生もちらほら見受けられる中、司会役の弁護士の進行で、職業当てクイズが始まります。これは、参加した法曹三者がどの職業なのかを当てるクイズですが、法曹三者も自分がどの職業と予想されるか興味津々。中高生の予想が全く外れるチームもあり、法曹三者から中高生に対して、なぜそう予想したのか問いかける場面も見受けられました。


それぞれの職業が明かされたところで、本題のここだけの話に入っていきます。どのチームにおいても、「冤罪はなぜ起こるのか」、「裁判員裁判で改善すべき点は何か」等といった刑事事件に関する質問が多く投げかけられていました。法曹三者は、法律用語をかみ砕いて、自らの経験も交えながら、1つ1つ丁寧に質問に答えていました。中高生が熱心にメモをとる様子もみられました。


途中の休憩では、持参いただいた裁判官の法服、裁判官・検察官・弁護士それぞれのバッジが中高生に披露されました。ここでの人気はやはり法服。バッジの中では検察官バッジが格好いいと評判でした。


時間が経つにつれ、中高生と法曹三者の距離も近くなっていき、徐々に中高生から「給料はいくらか」、「組織内、事務所内の上下関係は厳しいか」、「やりたくない仕事は何か」等の質問が飛び出します。「職業病は?」という質問に対して、ある弁護士が「昔に比べ刑事ドラマが楽しめなくなった(こんな弁護士はいないと突っ込んでしまい素直に楽しめない)」と話すと、裁判官、検察官が「そうそう」と思わず相槌を打つ場面も。


中高生の質問を受けるだけではなく、終盤には司会者から中高生に対し、「法曹三者のうちどの職業に就きたいか」という質問があり、中高生が答えるという場面もありました。弁護士を選択した中高生の多くが「転勤がないから」という理由を挙げており、「それを言われちゃ仕方ないよな〜」としょげる裁判官・検察官の姿が可愛かったです。もちろん、職業自体の魅力を理由に挙げる中高生も多く、中には「将来裁判官になりたいです」と明言する中高生もいて、選ばれた法曹三者がそれぞれ嬉しそうな表情を浮かべていたのが印象的でした。


参加した中高生のアンケート結果からは、「普段聞けない生の声を聞けた」、「法曹三者それぞれの違う視点から話が聞けて良かった」、「法曹三者の3つの仕事の関わりも面白かった」、「来年も参加したい」等と嬉しい回答があり、参加していただいた裁判官・検察官・会員の皆様には、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。来年以降も、中高生と話をする中で法曹三者それぞれの魅力を中高生に伝えるという企画の趣旨を踏まえつつ、中高生のアンケート結果を基に、企画が更に楽しく充実したものになるよう工夫を重ねていきたいと思います。