会報「SOPHIA」 平成26年8月号より

いたずらタヌキが人気者!
〜2014年サマースクールを終えて〜


法教育委員会 委員長
魚住 直人

1 新企画誕生

今年は昨年と違い会館での開催が可能だったので、個人的には例年どおり、法廷傍聴、体験講座(弁護士に挑戦、ここだけの話、クイズ選手権、ティーンコート)、および刑事模擬裁判(中高生向け)を行う予定でいた。

しかし、他会調査として福井弁護士会のウィンタースクールを見学してきた委員を中心に、福井で行っている「小学生向け刑事模擬裁判」を行いたいとの提案があった。お預かりする子どもの数を増やしたくない委員長は腰が引けていたが、委員会における多数決により新企画の実施が決定された。


2 サマースクール概況

すべての企画の定員が320名のところ、申込総数は202名あり(実参加183名)、まずまずの状態であったと考える。

体験講座では、どの子も興味を持った講座に申し込んだだけあって、積極的な姿勢が随所に見られた。

「弁護士に挑戦」では、過去数年間生徒に負け続けていた某弁護士が悲願の初勝利を飾った。とはいえ、設問に難ありとの声もあり喜びも半ばといったところであろうか。「クイズ選手権」では、「刑事事件で裁判官が有罪確率50%と考えた場合に、どのような判決を下すか」との問題に対し、最初のチームは有罪、次のチームは刑期半分と解答し、最後に残ったチームが正解となったことが印象に残った。「ティーンコート」では被疑少年を演じた弁護士が元演劇部とのことで、迫真の演技が好評を博した。「ここだけの話」は、残念ながら見学に行けなかった。

「中高生向け刑事模擬裁判」は、定員100名に対し42名しか申込みがなく残念であったが、グループ分けした少人数での評議は充実したものとなった。最後に行った全体発表会でも、各グループの評議の充実ぶりを感じさせる意見が多数聞かれた。来年は定員数を減らすことを検討しても良いかも知れない。

「小学生向け刑事模擬裁判」は、福井弁護士会から着ぐるみをお借りして「かちかち山」を題材としたものであった。いたずらタヌキを捕まえてタヌキ汁を作ろうとしたお爺さんは殺人(殺タヌ)罪になるのか、逃げるためにお婆さんを殴ったタヌキは傷害罪になるのか、が議論された。評議では、小学生の口から「過剰防衛」の言葉が飛び出し驚いたが、概ね小学生らしい正義感に裏付けられた意見が多かったように感じた。この劇における着ぐるみを着た弁護士の演技は素晴らしく、小学生を全く飽きさせないものであった。講座終了後に設けた写真撮影タイムでは、いたずらタヌキを初めとして、お爺さん、お婆さん、警察官と嬉しそうに写真に収まる小学生の姿が印象的であった。


3 来年に向けて

まずは、小学生向け刑事模擬裁判用に着ぐるみを無償提供してくれた福井弁護士会に深謝申し上げたい。

また、今年も様々な工夫を凝らし関わってくれた方々に感謝申し上げる。

校長挨拶において私は、子ども達に対し「学校の授業と異なり、今日の問題の正解は一つではない。他人との議論を通して一生懸命考えて欲しい」と訴えた。次年度以降もこの基本スタンスは変えずに、子ども達に楽しんで学んでもらえる企画を送り続けたい。