会報「SOPHIA」 平成25年5月号より

女性弁護士による女性のための一日無料法律相談会 開催される

法律相談センター運営委員会 委員
宮 地 紘 子

1 はじめに

5月17日(金)、名古屋法律相談センター及び各支部の法律相談センター(以下、相談センター)にて、女性弁護士による女性のための一日無料法律相談会(以下、女性無料法律相談会)が開催されました。当日は一部の相談を除き、女性弁護士が女性からの相談を受けました。なお、相談者が女性であれば相談内容は限定しませんでした。


2 女性無料法律相談会実施の経緯及び目的

今回、初めて、女性の相談者に対し女性弁護士のみが相談を受ける、という無料法律相談会を実施しました。この企画は、法律相談における専門相談について協議をするなかで発案がされ、実現に至ったものです。定期的に無料法律相談会を実施する目的は、愛知県下の相談センターの認知及び相談者数の増加という点にありますが、これに加えて、女性無料法律相談会の目的は、女性に、より弁護士に相談しやすい機会をつくり、特に、女性弁護士に相談したいというニーズに応えるという点にあります。


3 広報活動について

女性無料法律相談会開催についての広報は、新聞広告及びホームページへの掲載、自治体へのチラシ配布により行いました。その結果、予定相談コマ数のうち8割程度の相談コマ数を実施することができました。

ただ、女性が相談する可能性が高い自治体等に対しては、もっと積極的に広報活動をすべきであったという意見などがあり、今後は、広報活動や実施方法について、更に検討していく必要性を感じました。


4 アンケート結果について

以下では、女性無料法律相談会において実施したアンケート項目の中から、特徴的な部分についてご報告致します。

(1) 女性弁護士による相談について
今後も女性弁護士による相談があれば利用したいかという問いに対しては「利用したい」という回答が9割弱ありました。その理由としては、「話しやすい」「立場や気持ちを分かってもらえる」「安心、優しい」という点が挙げられました。
(2) 女性無料法律相談会に参加した理由
女性無料法律相談会に参加した理由については、「女性弁護士が対応するから」というご意見が多数ありました。今まで弁護士に相談しようか迷っていたが、女性の弁護士が対応してくれると分かり、思い切って相談にきましたという方もいらっしゃいました。
(3) 専門相談を受けたい分野について
従来の無料法律相談会では、比較的幅広い分野において専門の弁護士を必要としているという結果が出ていましたが、今回の女性無料法律相談会においては「離婚」、「相続・遺言」の専門相談を受けたいという意見が多数を占めており、従来の無料法律相談会に比して家事事件の割合が高いという結果になりました。
5 終わりに

今回、女性無料法律相談会を開催し、女性弁護士による相談について一定のニーズがあることが分かりました。今後も、女性無料法律相談会の実施を検討していくとともに、その他にも市民の方々のニーズに合わせた無料法律相談会も検討していきたいと思います。