会報「SOPHIA」 平成25年5月号より

初の試み!「乗り合い方式」裁判見学ガイド開催!

広報委員会裁判見学ガイド部会 副部会長
中 根 志 保

 

1 はじめに

5月10日、初の試みである「乗り合い方式」での裁判見学ガイドが開催された。
そもそも、裁判見学ガイドとは、一般の団体等(5名以上)からの申込を受け、弁護士数名が、@裁判手続等の説明、A裁判傍聴の案内、B質疑応答、C大法廷等見学のガイドを行うものであり、当会で長年行われている広報活動の一つである。このように通常は団体申込を対象としている裁判見学ガイドにつき、この度初めて、個別の希望者を募り、数十名の応募者がまさに「乗り合う」形で裁判見学ガイドを行ったものである。

2 19歳から86歳まで!

中日新聞に紹介記事を載せていただいた効果もあり、午前15名、午後30名(定員各30名)と合計45名のお申し込みをいただき、大盛況であった。

上述のとおり、通常の裁判見学ガイドの場合、学生、PTA等、比較的、同じ年代、同じコミュニティに属する方をご案内することになるが、今回、上は86歳から下は19歳まで、年齢も環境も異なる様々な方からお申し込みをいただくことができたのは、まさに「乗り合い方式」ならではといえる。

3 民事裁判が大人気!

通常の裁判見学ガイドの場合、刑事裁判に好奇心、興味を持たれ、その傍聴を希望される方が比較的多い。弁護士側も、手続のわかりやすさ等から、これまで刑事裁判の傍聴を優先的にご案内することが多かったように思う。

しかしながら、こと「乗り合い方式」においては、民事裁判の傍聴を希望される方の数が多く、たいへん新鮮であった。通常の裁判見学ガイドの場合と比べ、より明確な目的意識ないし関心をお持ちの参加者(仕事上の関心であったり、ご自身に降りかかり得る紛争等を念頭に置いた上での参加者)が多かったためと思われる。

4 参加者の感想

「弁護士の生の声が聴けてよかった」「親切に説明をしていただき、ありがたかった」「わかりやすかった」「勉強になった」「臨場感があった」等、概ね好評であった。

特に、公判終了後の裁判官から直接お話を聴くことができた方々の感激はひとしおで、「裁判官の貴重なお話を伺えてよかった」等の感想が多くみられた(大法廷等での案内も含め、ご協力いただいた裁判官及び裁判所職員の方々には、本紙をお借りし、改めて感謝申し上げます)。

5 さいごに

裁判見学ガイドには、地下鉄広告等のような派手さはない。一度に対象とできる人数も、上述のとおり限られている。しかしながら、個々の弁護士に直に接し、相対で言葉を交わし、私たちの仕事場の一つである実際の裁判を見学してもらう、その「生」の体験だからこそ参加者に感じていただける何かも、きっとあると信じ、これまで多くの会員が携わってこられた裁判見学ガイドを、今後も、より魅力的なものにできるよう、そして、できるだけ多くの方に「弁護士ってこんな仕事をしているんだ」「弁護士と話してよかった」と思っていただけるよう、工夫していければと思う。