会報「SOPHIA」 平成24年11月号より

西三河支部「法の日」記念行事が開催されました

 

西三河支部 会員
鶴 田 智 博


1 西三河支部「法の日」記念行事の概要

11月3日に、西三河支部の「法の日」記念行事が、岡崎市商工会議所で行われました。

今年は、「フクシマを風化させない」をテーマに、ドキュメンタリー映画監督の鎌仲ひとみさんをお招きし、前半は、鎌仲さんの制作映画「内部被ばくを生き抜く」の上映、後半は、鎌仲さんの講演という内容でした。

当日は、小さな子どもを連れたお母さんをはじめ、男女問わず幅広い年代の方が会場に来られ、参加人数は約180名という大盛況でした。


2 前半の「内部被ばくを生き抜く」の上映

この作品は、福島県で実際に生活する家族への取材と、被ばくに関する医療活動に従事してきた4人の医師へのインタビューで構成されていました。

西三河支部では、記念行事開催にあたり、この映画の紹介を載せたチラシを作成して配布しました。今回多数の方が来場され大盛況となったのも、放射能汚染の影響について、何が正確な情報なのか分からない現状の中で、多くの方が放射能汚染について強い関心を持っていることの現れだと思いました。


3 後半の鎌仲さんの講演

映画上映の後の後半は、鎌仲さんの講演でした。

鎌仲さんは、ご自身がイラクに行き、湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾による放射能汚染の現状を目の当たりにするまで、放射能問題については関心を持たず、それ故に知識もなかったそうです。

しかし、イラクの現状を見て、放射能汚染、原発問題に興味を持ち、現在まで核をテーマにした映画を作成し続けておられます。

鎌仲さんは、その講演の中で、現在の福島は、世界の中で何ら救済がなく孤立していたイラクと同じ状態にある、我々の無関心という態度が問題である、自分一人で何をやってもしょうがないというのではなく、皆で少しずつでも行動していくことが重要であることなどをお話しされました。

講演後の質疑応答では、来場者から多くの質問がなされ、放射能問題への関心の高さがうかがわれました。


4 結び

西三河支部では、弁護士が地域市民とともに地域の問題を考えていこうという趣旨で「法の日」記念行事を毎年行っています。

今回、「法の日」記念行事で鎌仲さんをお招きし、その映画を上映することで、参加者は、原発や放射能汚染問題は、まさに自分自身に関係する問題であり、無関心であってはならないと認識することができたと思います。

そして、西三河支部会員である我々と地域の皆さんとが同じ思いを共有するきっかけとなり、すばらしい「法の日」記念行事となったと思います。