会報「SOPHIA」 平成24年8月号より

サマースクール体験講座

弁護士に挑戦! 〜小川会員、リベンジを誓う〜

 

法教育委員会 委員
積  木   潤


 今年も「弁護士に挑戦!」を開講しました。
「弁護士に挑戦!」とは、弁護士が中高生とディベート対決をし、勝敗の判定も中高生がするという講座です。今年は中学生21名、高校生5名の応募を頂きました。中には昨年から引き続き応募してくれた子もあり、嬉しい限りです。
 中学生の部
(1)「少年犯罪を実名報道することに賛成か」   (阪野公夫会員、反対の立場)  中間判定では判定役から「弁護士さんは同じ主張が多い」との鋭い指摘があり、中学生優勢か?と思われましたが、後半に阪野会員が盛り返し、最終判定で勝利しました。
(2)「救急車を有料化することに賛成か」   (中根浩二会員、反対の立場)  中学生はタクシー代わりの救急車利用の弊害を強く主張して頑張りましたが、中根会員の「大人げなく」(ご本人談)データを用いた具体的な反論にはかなわず、同会員の勝利に終わりました。
(3)「死刑制度を維持することに賛成か」   (漆原由香会員、反対の立場)  中学生にもなじみやすいテーマだったようで、最も発言が活発でした。中学生も説得的な主張を展開していましたが、死刑求刑のなされた被告人の弁護経験もある漆原会員の「経験にもとづいた主張が説得的」(判定役)で、同会員の勝利となりました。
(4)「インターネットの違法な書き込みに対し、国が削除できる制度に賛成か」   (檀浦康仁会員、反対の立場)  違法な書き込みにより侵害される利益の保護を主張する中学生に対し、檀浦会員は削除の是非を国が判断することの危険性を具体例を交えて反論し、勝利しました。具体例や現実論はやはり大人に分があるようです。
 高校生の部
(1)「代理母出産を認めることに賛成か」   (間宮静香会員、反対の立場)
 高校生の主張にひとつひとつ丁寧に反論していった間宮会員が勝利しました。「先生強いな」「気づいたら言いくるめられた」とは対戦後の高校生のコメントです。
(2)「女性専用車両を設けることに賛成か」   (小川淳会員、反対の立場)  反論がなかなか難しいと思われるテーマでの応戦を引き受けて下さった小川会員。何年もディベーターを担当して頂いていますが、戦績は0勝…初勝利が期待されましたが、どうしても優しさが滲み出てしまいます。高校生の発言に「なるほど〜」「君の言うとおりだね」。初勝利はお預けとなりました。終了後の懇親会では早々にリベンジを誓われていた小川会員、来年も宜しくお願い致します!
 子どもたちが楽しそうに議論する姿を見ると、やって良かったなぁと感じます。「弁護士と戦って完敗…ということでしたが、全力でできて良かったです」、「すごくおもしろくて、先生の話がわかりやすかった」、「日頃経験することができないものができて良かった」など、嬉しい感想も頂きました。次年度も魅力的な企画にしたいと思います。
また、最後になりましたが、快くディベーターを引き受けて下さった会員の方々、本当にありがとうございました。