会報「SOPHIA」 平成24年5月号より

第3回秘密保全法に関する連続学習会(5月18日)開催される

〜秘密保全法の成立が迫っています〜



 

情報問題対策委員会 委員
水  谷   実



  • 1 はじめに
     3、4、5月と連続開催された秘密保全法に関する学習会、第3回の講師は、当委員会の新海聡会員と憲法問題委員会の中谷雄二会員でした。
     参加者には、小さな新聞記事を見つけて足を運んでくださった市民の方もいて、秘密保全法反対の気運が徐々に広がっていることを実感しました。


  • 2 学習会の概要
    (1)重要な情報ほど非公開に
     秘密保全法により情報公開の対象外とされる「特別秘密」の対象は、@国の安全(防衛)、A外交、B公共の安全及び秩序の維持の3分野ですが、Bの範囲はとりわけ不明確です。
     新海会員から、福島第一原発事故の直後、原子力委員会委員長作成の原発事故最悪のシナリオが公開されなかったことを例に、このような情報が対象地域住民の混乱を招くとしてBに含まれるとされることも考えられ、国民にとって重要な情報ほど非公開になってしまう危険がある、との指摘がされました。

    (2)情報公開制度の絶滅
     特別秘密を漏洩等した場合には、最長10年以下の懲役が科されます。
    しかし、どの範囲の情報を漏洩したら処罰されるのかが不明確なだけでなく、処罰される行為が何なのかも不明確で、二重の意味で曖昧な法律です。
     新海会員から、情報を保有する者や記者が、処罰を恐れて、情報の公開も取材も控える事態となる結果、本来公開されなければならない部分までもが公開されなくなってしまう危険がある、との指摘がされました。

    (3)いったん制定されてしまうことの危険
     中谷会員からは、有識者会議における議事録の廃棄や資料の差し替え、また自衛隊の情報保全隊による反自衛隊活動の監視がなされていた例が挙げられ、政府の隠蔽体質と国民監視の実態が明らかにされました。
     その上で、戦前の軍機保護法や国防保安法の運用下において、法律制定の審議過程では処罰されないとされていた行為類型についても実際には処罰されていた例から、秘密保全法についても、ひとたび制定されてしまえば、拡大濫用される危険がある、との指摘がされました。

    (4)弁護士の役割
     過去に国家機密法制定に向けた動きがあった際、地元弁護士と地域住民が連携して草の根活動を展開し、反対運動を活発に行ったそうです。
    また、有事法制制定の際には、当会が主体となってデモを行ったことを知りました。
    中谷会員は、秘密保全法についても、もっと弁護士が市民に伝え、積極的に活動していく必要があると訴えました。



  • 3 岐阜県弁護士会の取り組み状況
     なお、会場には、岐阜県弁護士会の今尾大祐弁護士も駆けつけてくださいました。
    岐阜県弁護士会としても、市民に秘密保全法の危険性を訴える取り組みを始めたとのことです。
     当会に対する連帯の呼びかけもありました。

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