会報「SOPHIA」 平成23年12月号より

専門家あっせん・仲裁人及び専門委員制度のご紹介


紛争解決センター運営特別委員会 委員

眞 下 寛 之


 紛争解決センター(以下、センター)では、様々な内容の事件処理に対応するため、当会の会員であるあっせん・仲裁人のみならず、一定の資格を有する専門家の方々に専門家あっせん・仲裁人及び専門委員としてご登録いただき、事件の解決にご協力いただいています。
 以下、Q&A形式で、具体的な手続等をご紹介します。



Q1
専門家あっせん・仲裁人及び専門委員には、どのような人が選任されているのですか。
A1
現在、専門家あっせん・仲裁人には45名(西三河支部を含む。)、専門委員には5名が選任され登録されています。
その内訳は、次のとおりです。


【本会】
専門家あっせん・仲裁人
 カウンセラー:4名
 不動産鑑定士:6名
 建築士:24名
 土地家屋調査士:2名
 フェミニストカウンセラー:1名
 国際商事仲裁関係:1名

専門委員
 歯科医師:2名
 医師:3名(産婦人科、消化器外科、整形外科)


【西三河支部】
専門家あっせん・仲裁人
 カウンセラー:1名
 建築士:4名
 不動産鑑定士:2名

 名簿登載者は、センターのホームページでも確認することができます。



Q2
これまで、どのような事件で選任されているのですか。
A2
過去の事件においては、
カウンセラー :夫婦関係調整事件
不動産鑑定士 :賃料減額請求事件、地代増額請求事件、賃貸借契約関係調整事件
建築士 :損害賠償請求(建築瑕疵)事件、追加変更工事の代金請求事件、瑕疵修補請求事件
土地家屋調査士 :境界確定事件
医師 :損害賠償請求(医療事故)事件
歯科医師 :損害賠償請求(医療事故)事件
等で、専門家あっせん・仲裁人又は専門委員が選任され、事件の解決にあたってきました。



Q3
自分が申し立てた事件について、専門家あっせん・仲裁人及び専門委員を利用したい場合は、どうすればよいのですか。
A3
あっせん・仲裁人の選任は、当事者双方の合意により指名する方法で行うものと規定されていますので(当会あっせん・仲裁手続規則8条1項本文)、当事者双方の合意があれば、専門家あっせん・仲裁人を指名することができます。
他方、当事者双方の合意がない場合には、センターが、事案の内容等を勘案し、当該事案を担当するのに適任と考えられる者を名簿登載者の中から選任するものとされていますので(同規則8条1項但書)、上申書や報告書等に専門家あっせん・仲裁人の選任が必要な理由を記載して提出していただければ、センターがその内容を考慮して選任の必要性の有無及び人選を判断することになります。
また、専門委員については、「当事者若しくはあっせん・仲裁人の申出があった場合又はセンターが特に必要と認めた場合」にセンターが選任することができると規定されています(センター規則8条1項)ので、専門委員の選任を希望する場合は、具体的理由を記載した申出をしていただくことになります。