会報「SOPHIA」 平成22年11月号より

東三河支部」


「法の日記念行事」開催される



東三河支部 会員
岡 本 栫@広


 平成22年10月30日(土)に、東三河支部の恒例行事である「法の日記念行事」が開催されました。
  今年も例年通り、豊橋商工会議所において午後から無料法律相談、記念講演会の2本立てにより行われました。
  無料法律相談では25名の相談がありました。例年少しずつ減少している傾向にはありますが、今年は台風の影響を受けたことを考えればまずまずと言えるのではないかとの意見がありました。
  記念講演会では、大正大学客員教授の井沢元彦氏を講師にお招きし、「歴史の真実を探る」と題してご講演いただきました。

  「逆説の日本史」などで知られる井沢氏は、早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社した後、31歳で退社、執筆業に転身し、歴史研究家として多数の著書を出版され、各種メディアでもご活躍されています。
  記念講演会は、足元の悪い中、例年以上の参加者があり、会場は熱気に包まれていました。
  井沢氏は法学部出身で、歴史を専門として学んだわけではないのに歴史を研究する立場になられました。その動機は、TBSに勤務する中で、外国と比較して初めて日本の特徴が分かると気づき、それが日本史にもあたることを示したかったというものでした。
  鎖国といった日本史の特徴だけではなく、「一つの国の言葉を学ばざる者は、そのものの母国語を知らず。」というゲーテの言葉を引用しながら言語や道路舗装率など身近な例を示してユーモアを交えながらの1時間半にわたる講演はとてもわかりやすく、また興味深いものでした。
  会場の参加者も時に笑いながら、熱心に聞き入っていました。学者の目でなく自分の目で判断することの大切さを実感したのではないかと思います。

  参加者からは「講演内容が分かりやすくてよかった」との声が寄せられ、とても好評でした。
  また、講演者が法学部出身ということ以外に「法」についての話題がなく、聞いているときは「法の日」に何の関係もないように思えましたが、よく考えてみると、日ごろ、日本の法律にしか興味を持たない私たち法曹関係者にとっては、井沢氏に「日本の法曹関係者は日本の法律を知らない。」という市民の声を代弁されているようで、例年以上に私たち自身が考えさせられるとても奥の深い内容であったように思います。
  井沢氏には、その後に開いた二次会にも参加していただくことができ、私たちはさらに楽しいお話をうかがうことができました。

  今年は台風の影響で、雨風のため開催されるかとても心配しましたが、無事執り行うことができました。
  今後も、市民の皆様に弁護士を身近に感じていただけるように、充実した「法の日記念行事」を開催していきたいと思います。