第53回日弁連人権擁護大会開催される
会 員 田口 勤
10月8日、盛岡市にて第53回人権擁護大会が開催された。議長には当会の松本篤周人権擁護大会運営委員長が選出され、事業活動報告、前日のシンポジウムの報告、「公訴時効の廃止及び期間延長の成立を受けて」についての特別報告が行われた後、前日のシンポジウムを受けて、宣言、決議が採択された。
まず「貧困の連鎖を断ち切り、すべての子どもの生きる権利、成長し発達する権利の実現を求める決議」、「『高度情報通信ネットワーク社会』におけるプライバシー権保障システムの実現を求める決議」及び「不法投棄等による被害の根絶と資源循環関連法制の抜本的改正を求める決議」の各案については、いずれも多くの賛成意見が述べられた後、賛成多数で可決された。
「今こそ核兵器の廃絶を求める宣言」案に対しては、核兵器の廃絶に異論はないものの、現政権と米大統領に対する落胆から、日本政府に対する要請を含む宣言案に強い反対意見が述べられたが、賛成多数により可決された。
その後、特別企画「冤罪被害者からの報告」に足利事件の菅家利和さん、布川事件の櫻井昌司さん・杉山卓男さんが登壇し経験などを語った。菅家さんは取調べの可視化と取調べへの弁護士立会の必要性を、櫻井さんは無実の証拠を隠匿することは有罪の証拠を偽造することと同じとして、証拠全面開示の必要性を強調した。
次年度は10月6、7日に高松市にて開催される。