会報「SOPHIA」 平成22年9月号より

9/16 給費制維持デーに参加!!



会員(ビギナーズネット事務局)齋 藤   尚

 現在、日弁連及び各単位会が中心となって、司法修習生に対する給費制維持を求める活動が積極的になされていることは周知のことですが、去る9月16日、東京日比谷公園・衆議院会館及びその周辺で行われた給費制存続を求める決起集会・パレード・院内集会に参加してきたので、報告をさせて頂きます。

 決起集会では、当会の川上明彦日弁連司法修習費用給費制維持緊急対策本部本部長代行が、給費制維持の問題は司法修習生だけの問題ではなく、司法を担う弁護士のあり方が問われている問題であることを明らかにしました。そして、労働組合やクレサラの問題などで苦しんできた市民の方々が、市民のための法律家を育てるための制度の必要性について発言して下さいました。その後、宇都宮健児日弁連会長より、絶対にこの問題を放置してはならない、必ず法改正を勝ち取り、給費制を維持させるとの強い決意表明がありました。

 最後に決起集会アピールがありましたが、その中の「法律家は、市民の声に耳を傾け、自らの使命である基本的人権の擁護と社会的公益活動の重要性を再認識しなければならない。」とのくだりは、この給費制維持を訴える前提として、我々法律家にとって身を引き締めなければならないことだと感じました。

 決起集会の後に行われたパレードでは、2000人以上の参加者が8つに分かれ、日比谷公園から国会議事堂周辺までシュプレヒコールをあげながら歩きました。当初、このパレードは1000人という予定だったものが、各地での反響が大きいことから2000人に変更されました。その人数故に参加者を集めるのは困難かとも思われました。しかし、各種団体、ビギナーズネット(司法修習生の給費制維持を求める若手ネットワーク)、各地の弁護士会、東京三会の協力のお陰で目標人数を達成することができ、国会議員に対してもインパクトを与えることができたと思います。また、実際に、国会議事堂周辺では、各政党の国会議員が出迎えて、我々の要求に耳を傾けて頂くことができました。

 午後行われた院内集会には、出席者が予定より多かった関係で、最初から出席できなかったのですが、ほとんどの政党の国会議員が出席し、給費制維持について前向きな発言を頂くことができました。平成16年の法改正時に賛成した議員であっても、当時予想されていた事態とは現実が異なっているなどの発言もあり、法改正に向け手応えを感じるものとなりました。

 しかしながら、現時点では法改正はなされておりません。確かに、民主党の内部で法改正に動き始めたとの報道もあります。日弁連としても9月29日に全国で集めた署名(目標の2倍近くの約60万筆)を衆議院議長・参議院議長宛に提出しています。しかし、実際に法改正がなされなければ、司法修習生に対する貸与制がなされる裁判所法は11月1日に施行されてしまうのです。
 そのような事態をなんとしても避けるため、多くの市民・弁護士による行動が必要です。なにとぞご支援の程よろしくお願い申し上げます。