会報「SOPHIA」 平成22年8月号より

「特集 中高生のためのサマースクール」

みなさん良く笑うんですね


裁判官・検察官・弁護士ここだけの話



法教育特別委員会 委員長
熊田 登与子

 本講座は、まさにその名のとおり、8〜10名程度の中高生のグループ(4つ)に、裁判官、検察官、弁護士各1名ずつ参加していただき、法廷だけを見てもわからない、またインターネットで調べても載っていない三者の素顔、やりがいや悩みなどを直接聞いてもらおうという講座です。
当日の模様は、ここで書いてしまうと「ここだけの話」でなくなってしまうので、裁判官が実は物真似上手だったりとか、弁護士のマイブームが婚活だったりとか、検察官が実は心身共に熱っぽかったり、などということはあまり書けませんが、どのグループも司会役の弁護士に上手く進行してもらったおかげで、非常に楽しく話を聞くことができました。
参加した中高生に感想を記してもらったアンケートにも「みなさん良く笑うんですね」とあり、お堅い職業というイメージでとらえるのではなく、親近感をもって話を聞いてもらったようでした。

 もちろんそれぞれの仕事に関する真面目な話も出たのですが、その際、中高生からの質問に、裁判官、検察官、弁護士のいずれもが、ついつい本音をポロリと漏らしてしまうのがとても印象的でした。
本音で答えていただいてこその講座ではあるので非常に有り難かったのですが、それだけ中高生の質問が純粋でストレートだった証しであり、また答える側もその質問に真摯にわかりやすく答えていただいたお陰だと思います。 特に、三者それぞれがどのような事で悩み、またどのようにしてそれを克服しているのかという話は、私が聞いていても新鮮であり、自分も頑張らなければという気にさせられました。

 講座の最後には、三者の話を実際に聞いてみて、どの職業になってみたいか?との質問が司会役からなされていましたが、一番人気は検察官。主催の当会としては少し残念な結果に終わってしまいました。
他方、三者の必須アイテムの一番人気は裁判官の法服。裁判官になりたいと言っていた男の子は、携帯で法服を着た写真を撮ってもらってご満悦でした。

 講座を終えてアンケートを真剣に記入してくれている中高生の姿を見て、この講座を通じて少しでも法律や裁判を身近に感じてもらえるようになったら、そして普段の生活の中でもニュースの見方などが変わってくれたら、という私達の思いが、中高生に確実に届いているという手応えを感じることができました。

 最後に、本講座にご協力いただいた裁判官、検察官、各庁の担当者の方々及び当会会員にこの場を借りて心から御礼申し上げます。