会報「SOPHIA」 平成21年8月号より

「特集 中高生のためのサマースクール」

今年も夏がやってきた!

中高生のためのサマースクール開催


法教育特別委員会 委員長
熊田 登与子
1 今年は無事全講座実施

今年も7月23日午前・午後の法廷傍聴を皮切りに、当委員会夏の恒例行事「中高生のためのサマースクール」を開催しました。昨年の大反省会の際に若手委員から提案があり、毎年大好評で、もっと実施回数を増やしてほしい、との要望の多い法廷傍聴を1日増やし、23、29日、8月4日の午前午後に各2コマ計6コマ実施しました。参加者は117名でした。

30日は体験講座、31日は刑事模擬裁判を実施しました。体験講座については、昨今高校生は部活や補習で忙しいらしく、昨年若手委員が時間をかけて準備した高校生向けの講座に申込者が少なく、結局実施できなかった苦い経験を踏まえ、講座数・内容とも整理したことと事務局職員の尽力によるリクルートが功を奏し、今年は全講座実施できました。参加者は103名でした。

刑事模擬裁判は、今年漸く完成したDVD「証言台を囲む人々〜ドラマで学ぶ刑事裁判〜」のシナリオを発展させた「友人殺人事件〜友情の行方〜」を61期の新委員が被告人・弁護人・検察官を熱演しました。犯行推定時刻と犯行現場で被告人が目撃される「空白の4時間」の被告人の行動が焦点でしたが、その後実際に「空白の4時間」が問題となる事件が起こるとは・・・平成17年に作った「名古屋場所力士傷害事件」といい、当委員会のシナリオ作成者は、まるで予言者みたいです。参加者は70名でした。



2 子どもたちの声から

「今までは、つかまるような人は悪い人に決まっていると思っていたけど、犯罪を犯してしまう人はその人なりに、何か理由があるということがわかった」(法廷傍聴、高1女子)、「人は見た目で判断するのではなく、中身もしっかり見て人の人生を判決する重みを感じることができた。公平に見ることの大切さを改めて感じた」(同、高3女子)、「真面目で真剣な話の中で、いろいろな話をして、法曹の世界を身近に感じることができた」(裁判官・検察官・弁護士ここだけの話、中1男子)、「自分の意見をどう相手に伝えるかをよく考えることができ、また、いろいろな立場に立って物事を考えることが大事ということがわかった」(弁護士に挑戦、高1男子)、「自分の意見を完全に切り返されたのは結構衝撃的だった」(同、高1男子)、「本気で意見を言えた。同じ中学生の人たちがジャッジしてくれるのもよかった」(ティーンコート、中3女子)、「自ら弁護士役になることで、その仕事の魅力がよくわかった」(同、中2女子)、「皆、演技がうまかった」(模擬裁判、中2男子)、「裁判員の立場として有罪か無罪か決めることの難しさがよくわかった」(同、中3男子)、「議論する大切さと真実を見抜くことの大事さがより理解できた」(同、高2女子)、〜皆、ありがとう。〜



3 来年に向けて

高校生の申込が減ってきていることを踏まえ、対象を中学生に絞るかどうかや広報、新たな企画が課題ですが、8月4日の大反省会で、来年の各講座の主任が早くも決まり、委員会はやる気満々です。



4 最後に

ご協力いただいた裁判所、検察庁、広報委員会の皆さまに心より感謝申し上げます。