伊藤真さんの熱のこもった憲法講義の後、午後2時50分から、愛知県内の7校の学生による憲法問題に関する学生発表が約1時間30分にわたり行われた。また、桜丘高等学校の文化祭企画「憲法改正の模擬国民投票」の結果報告が配布資料により行われた。各学生の初々しく、熱のこもった発表の模様を一部紹介したい。
@南山高等学校男子部は、同校の文化祭初日に『ルワンダ大虐殺とホロコーストから学ぶもの』をテーマにパネリスト形式で行われたシンポジウムの模様について、写真、動画等により報告があった。メディアリテラシー(情報を吟味する力)教育の重要性、憲法改正に関する議論についても同様の教育が必要である旨の提言があった。
A南山大学生は、セイブ・イラクチルドレン・名古屋の活動報告(イラク戦争で残された劣化ウラン被害の惨状、支援協力態勢等)を行った。活動への参加によりまずは「行動すること」の重要性を知り、広く世界に発信したいとの思い等が熱く語られた。
B名古屋大学小野ゼミは、毎年名大法学部生の意識調査としてアンケートを行っており、その項目の中で『改憲に対する意識と支持政党の関係』にスポットを当て、具体的な数値、表等にもとづく分析の報告がなされた。改憲・護憲の議論と支持政党のねじれ、政治と憲法意識のずれ等が指摘され、憲法議論の活発化と正しい選択の必要性等が提言された。
C旭丘高等学校は、『日本と周辺諸国』をテーマに同校にて行われた討論会のうち、北朝鮮の拉致問題、核問題と中国に対するODA問題の3点の議論経過の紹介及び結論の報告があった。それぞれ、高校生とは思えないハイレベルな討論の内容であった。
D金城学院中学校は、広島の原爆被害について、事前学習の内容と修学旅行で訪れた広島における被爆者講話、原爆ドーム、資料館等の見学等により感じたこと等、学生自作の平和新聞を示しながらの報告があった。その中で、原爆被害の証言者からの「今の日本は本当に平和だろうか?」との問いかけに対し、「戦争はないが平和ではない状態」と位置づける等、学生が真剣に考えた経過の発表等が印象に残った。
E名古屋市立北高等学校も広島平和学習の実践について、『小さな平和への第一歩』をテーマに写真等を元に報告があった。被爆者講話にて戦争がそれまでの生活を一変させてしまうこと等の体験を聞き、高校生の自分達としては、まずは友人関係において、相手のことを考えて行動することなど、小さな平和の輪から出発・実践することを悟り、生徒5人による学生生活の一コマを表した小さな平和劇により会場に爆笑の渦がわき起こった。
F名古屋市立中央高等学校は、定時制高校の実情報告を行い、幅色い年齢層で楽しい反面、学生が勉強したくても金銭的な問題で断念する人が多いことや、残念ながら定時制高校の数が減少化傾向にあり、学習権や、憲法25条が脅かされている等の主張がなされた。
以上の各発表に対し、伊藤真さんより学生から「勇気と元気をもらえた」として、その後予定をオーバーして1時間程にわたりそれぞれコメントが寄せられた。今回の学生達のようにこれからの日本を支える若者の一人一人が日々の生活の中で憲法を実感し、憲法意識を高めていれば、まだまだ日本の未来は明るい!と実感できる一日となった。