会報「SOPHIA」 平成19年11月号より

名古屋拘置所との懇談会報告


   人権擁護委員会 委員  夏 目 武 志


1 平成19年11月16日午後1時から3時まで、名古屋拘置所と愛知県弁護士会との
  懇談会が名古屋拘置所において開催された。
出席者は、拘置所側が所長以下4名、弁護士会から副会長以下11名であった。
本年は、拘置所の新庁舎が完成したことを受けて、始めに新庁舎の見学を行った。雑居、独居、運動場、浴場、職員の詰め所、休憩所、仮眠所、面会室、待合室等を見学した。拘置所長の特別の了解を得て、新庁舎内の一部の写真の提供を受けたので、ご覧いただきたい。
懇談会では、当会から事前に拘置所に提出した「懇談事項」に従い、拘置所処遇部長から口頭で回答がなされ、その後、質疑応答が行われた。
2 懇談会においては、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する
  法律の実施状況その他の事項について拘置所から次のような回答があった。

@ 物品の貸与・支給(法40条)

ズボン、シャツ、パジャマ、下着、布団、毛布、シーツ、枕、座布団、歯ブラシ、タオル、石鹸、便せん、封筒、筆記用具等が貸与・支給されている。

室内装飾品としては、花瓶、生け花、写真立て、置き時計、置き鏡、CDプレーヤーの支給・貸与を予定している。




A 保管を認められる私物の量

合計98リットル(棚12リットル、衣類かご21リットル、私物保管65リットル)

B 運動の機会

毎日の実施は困難な状況。そのため月水木に1日30分間実施している。その他、毎日午前・午後の2回、30分間室内で運動の機会を設けている。旧法下と比較して室内の運動時間は2倍に増やしている。




C 指名医による診療等の実績

申立件数2件、診療実績1件(歯科医)。

D 外国人の通訳

信書は、大阪に翻訳を依頼している。所要期間は約2週間。面接については、通信システムを利用している。翻訳費用の負担を本人にさせた例はない。

E 死刑確定者の外部交通について

本人の届出によりその者との交友関係の維持等のため、その他、面会する必要性があり、面会により刑事施設の規律を害するおそれのない者について許可する運用に改めた。

F 新庁舎の冷暖房について

設備として居室の中に冷暖房が入る設備は整っている。どのように稼働させるかについては今後検討する。

3 感想
今回は、拘置所の新庁舎を見学できたことも大きな収穫であった。新庁舎内の一人用の浴室は司法研修所の浴室より立派に感じられた。居室内も新しい畳の香りで満たされていた。
全体的に真新しく明るい感じが現在の拘置所の暗い雰囲気とは大違いであり、被収容者の精神衛生面にはプラスではないかと思った。





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