会報「SOPHIA」 平成19年8月号より

ゆけゆけ「町のトラブル解決隊」!

   法教育特別委員会 委員
中 根 浩 二


「町のトラブル解決隊」開催
8月2日にサマースクール専門講座として、「町のトラブル解決隊」が開催されました。
「町のトラブル解決隊」とはなんぞや

参加者が、班ごとに、実際にルール作りを体験してもらうことによって、ルールって一体何だ?ということについて考えてもらうという企画です。

今年は、建築計画中の高層マンション「一本木ヒルズ」の建築によって近隣住民に生じる問題を解決するルールを検討して頂きました。一本木ヒルズの敷地内にはペットの放し飼いスペースができ、大型スーパーが入店する計画となっているため、@日当たりが悪くなる、Aペットの騒音・臭い等の問題が生じる、B大型スーパー入店で近隣の小売店の売上げが減少することが問題となっています。

受講生には、まず4チームに分かれ、それぞれ、マンション販売業者営業マン、日当たりが悪くなる近隣住民の主婦、騒音を嫌う書道家、魚屋の4つの役に分かれてもらいました。そこで、担当弁護士を交えて作戦会議を行いました。その上で、それぞれのチームから1人ずつ代表を出して、3斑に分かれ、ルール・解決案作りをしました。この解決案は、営業権や日照権、ペットの騒音・臭い等の問題に配慮した上で、それぞれの立場を踏まえて作らなければなりません。

受講生の白熱した議論の結果、それぞれ、すばらしい解決案ができあがりました。

初めてのオリジナル

サマースクールにおいて2度、同様の企画を行って参りました。しかしながら、今までは他の弁護士会で行われた事例を参考にしたものでした。今回は、愛知県弁護士会から全国に、そして世界に企画を発信しよう!というチーム全員の熱い思いのもと、新しい事例を作ることとしました。 どんな解決案が出たのか?

日照権侵害が起きないようにする点については、解決案の中には、マンションの壁に鏡を張ったり、4階から6階までを透明なガラス張りにして太陽が当たるようにしたりするなど、斬新な意見もありました。

今まであった魚屋の営業権を守るために、マンション内のスーパーの魚は、近隣の魚屋から仕入れるようにするという、心優しい解決案もありました。中には、スーパーは高級魚のみ扱うものとして、近隣の魚屋との住み分けを図るという案もありました。このとき受講生から「どのような魚以上が高級魚になるのですか」という質問が出て、これに対しアドバイザーの担当弁護士が、「それはサンマ以上が高級魚だよ」という回答をしてしまったことから、高級魚とは何かという議論が白熱してしまい、笑いが止まりませんでした。

それぞれの立場に立って考え、ルール作りをすることは、初めての体験で、勉強になったという受講生の声を聞き、やってよかったという思いで一杯です。






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