「弁護士に挑戦」は、中・高校生それぞれ20名を募集し、当日10名ずつの2班に分けて1班毎に1つのテーマを与え、10人の生徒VS1人の弁護士がそれぞれ賛成、反対の立場からディベートを行い、残り10人の生徒が最後にいずれの立場が説得的であったかを判定するというもの。テーマ4つを設定し、今年は事前にテーマと立場を開示した。当日、中学生、高校生VS精鋭弁護士による「弁護士に挑戦」が始まった。
- 1 テーマ1(中学生)
名古屋市営地下鉄東山線にある女性専用車両(時間限定)制度を拡大することの是非。拡大賛成の立場から生徒A:女性が痴漢等の被害にあっているから防御のために必要。迎え撃つは古澤仁之弁護士:女性専用車両による痴漢防止の効果を示す正確なデータはない。生徒B:現に痴漢等の被害がなくなっていない以上、必要。古澤弁護士:逆差別ではないか。外国では女性専用車両制度をやめたところすらある。生徒C:男性側もメリットはある。痴漢に間違えられなくてすむ・・・・。
(判定) 6対4で、生徒の勝ち!
※「それボク」(映画)の影響か、痴漢に間違えられないためという主張が強かった。
- 2 テーマ2(中学生)
中学校の卒業アルバムに卒業生の住所、電話番号を掲載して生徒に配布することの是非。掲載反対の立場から生徒A:掲載された個人情報が漏れて、知らない人から電話がかかってきたり悪用されるので掲載しない方がよい。迎え撃つは高橋恭二弁護士:個人情報の流失は利用する人の問題で、制限可能。卒業後の同窓会等に利用もでき有用である。生徒B:連絡を取りたい人は他の方法で連絡を取ることも可能。掲載を必要とするほかの具体的な理由はないんでしょうか・・・。
(判定) 7対3で、生徒の勝ち!
※学校では全体の連絡網すら配布されていない現実のもと、生徒には掲載の必要性は受け入れにくいようであった。
- 3 テーマ3(高校生)
性犯罪者情報を一般に開示することの是非。開示賛成の立場から生徒A:性犯罪から身を守るためには情報を得ておくことが必要である。迎え撃つは小川淳弁護士:性犯罪者の更生に支障がある。生徒B:同じ地域に生活することが不安。弁護士:矯正プログラムで再犯を防止する。生徒C:具体的な矯正プログラムがあるのか・・・・。
(判定) 7対3で、生徒の勝ち!
※性犯罪事件による社会不安と、再犯防止の具体的プログラムがないことが、敗因か。
- 4 テーマ4(高校生)
高校野球で話題になっていたスポーツ特待制度。この是非。
制度賛成の立場から生徒A:運動能力に長けている生徒を支援することは有用。生徒のやる気になる。迎え撃つは森亮爾弁護士:運動能力のある生徒だけ有利にすることはかえって不平等ではないか。学校の利益のために利用されている側面が否めない・・・・。
(判定) 6対4で、生徒の勝ち!
※なんと途中から小川弁護士が生徒側に参戦したことが敗因か。
生徒たちは皆、弁護士の分かりやすく説得な話術に関心をし、直接対話が出来たことを喜んでいた。しかし、弁護士は全員結果的に敗北。去年から連敗である。古澤弁護士曰く、来年からは「弁護士が挑戦」ですね・・・。