会報「SOPHIA」 平成18年8月号より

サマースクール開催される
―教える楽しみ・教えられる楽しみ―

法教育特別委員会委員長兼サマースクール校長
   川 上 明 彦

当会では、平成15年から毎年7月下旬にサマースクールを開校している。中高生に夏休みに弁護士会館に来てもらい、模擬裁判等の企画を通じて主体的に物事を考える力を養ってもらう法教育の一環であり、司法を身近に感じてもらう機会でもある。本年の参加者は130名。延べで266名。

1 校長のサマースクール日記

平成18年7月24日、サマースクール開始。24、25日の両日が法廷傍聴。説明に委員のそれぞれ工夫あり。生徒は手続よりも事件や人に関心を示す。なるほどね。26日は傍聴可能な法廷がほぼなしのため休校。

7月27日、開校式あり。昨年に引続き参加してくれた生徒からうれしい声をかけられる。学校の先生の醍醐味は、こんな素敵なふれあいにあるかもしれない。少し羨ましい。

授業参観開始。めざせ円満解決!は、高校生対象の民事調停の企画であり、本年初めての試み。部屋に入ると、カツラを被って真剣な委員と帽子をかぶった演技力満点の委員に笑う。生徒は、最終的に賃料値上げを調停案として提出し調停成立。「様」になっている。子ども議会は中学生対象の昨年同様にルール作りの企画。本年は、横浜弁護士会の「カラオケ店」問題の微調整のリメイク版。横浜と愛知間での異同を探る興味津々の実験でもあり。当会のノウハウの蓄積も活きてとてもスムーズ。弁護士に挑戦は、中高生対象。誰もが興味深い本年初めての試み。「少年事件の厳罰化の是非」と「掃除当番に関し連帯責任の指導の是非」の二題を議論。ガチンコ対決には笑えた。挑戦を受けた弁護士の皆さんの生徒の意見を否定しない丁寧な論述に感謝。裁判官、検察官、ここだけの話は、中高生対象。昨年までの「法曹と語る」との名称を変更。その途端に受講希望者急増でうれしい悲鳴。生徒は「本音トーク」に聴き入り目を輝かせていた。お話をして頂いた裁判官、検察官の方々に多謝。この刺激は生徒の進路に大きな影響を与えるであろうと予感。子ども裁判所は、中学生対象の昨年からの引続きの企画。昨年のノウハウが活かされ本年度の手際よさが目立った。委員が余裕をもって生徒たちに接し、生徒も活発。なお、子ども裁判官の「いじめ」部分の理解及び解決方法には若干心配あり。

7月28日、模擬裁判は中高生対象。庄司シナリオライター兼監督のパワーポイントによる説明は分かりやすかった。「コンビニ強盗殺人未遂事件」は緻密に仕上げられていた。検察官質問の途中で、アドリブで生徒に質問をさせる機会を与えた委員の柔軟さと度胸に感服。思わず心の中で拍手。評議は、学年等を考慮して7グループに編成し意見交換。裁判員として十二分に活躍することを予感した。

2 本年のサマースクールを終えて

本年度は、スケジュール管理に留意し、専門講座の増設、委員の負担軽減や企画の深みも考慮した適正な受講者数なども検討した。皆さん、本当にありがとうございました。






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