会報「SOPHIA」 平成18年7月号より

子どもセンター「パオ」設立!!
とり戻そう 子どもたちの笑顔を パートU

子どもの権利特別委員会 委員
山 内 益 恵

 平成18年7月1日午後、中区役所ホールにおいて、子どもの権利・全国イベント「とり戻そう子どもたちの笑顔を パートU」(子どもセンター「パオ」設立記念)が行なわれました。同日午前には、NPO法人子どもセンター「パオ」の設立総会が開かれました。

子どもセンター「パオ」設立!!
とり戻そう 子どもたちの笑顔を パートU

子どもセンター「パオ」のはじまり
 私たち弁護士は、安心できる家庭や居場所がない子どもたちと種々の事件を通じて出会い、子どもが安心して暮らせる場所の必要性を痛感してきました。せめて、居場所のない子どもたちを緊急に避難させる安全な場所があれば……。これは、私たち弁護士の切実な悩みでした。
 そのような中、2004年春、愛知県弁護士会子どもの権利特別委員会の弁護士が、たまたま子どものシェルターに適した土地建物を提供して下さる人と出会いました。これを契機に、この土地建物を、子どものシェルター(緊急避難場所)として運営しようという構想が立ち上がりました。
 昨年には、この構想を公表し、市民の皆さんに支援を呼びかけるイベントとして、歌手の新垣勉さんを招き、「とり戻そう 子どもたちの笑顔を」を開催し、力強い反響を得ました。これに励まされ、シェルターを運営するNPO法人の設立準備会が結成され、本年7月1日の設立総会に至りました。


子どもセンター「パオ」って何??
 子どもセンター「パオ」は、愛知県弁護士会子どもの権利特別委員会の弁護士有志と、児童福祉関係者、大学教員、精神科医、ジャーナリストなど、多種多様なメンバーで構成されています。
 子どもセンター「パオ」では、このような多種多様なメンバーが力を合わせて、(1)子どもを取り巻く諸問題の解決に取り組むネットワークづくり、(2)居場所がない子どもたちが安心して過ごすことのできる居場所(シェルターなど)づくり、(3)子どもたちがほっとできる場をもち、自分のペースで育つことができるような社会へ向けた情報発信を行います。


イベントは大成功!!
 このような子どもセンター「パオ」の設立記念を兼ねた上記イベントでは、タレントの矢野きよ実さん、NPO法人「カリヨン子どもセンター」(本号「子どもの事件の現場から」参照)理事長である坪井節子弁護士による講演の後、矢野さん、坪井さんのお二人と、子どもセンター「パオ」の代表に就任された多田元会員とでシンポジウムが行われました。
 人と人との「出会い」やつながりを大切にされている矢野さんの率直で温かいお話に心がほんわかし、「私も何かしたいな」と思ったところに、2004年6月から全国初の子どものシェルターを運営しておられる坪井さんから、今の子どもたちのおかれている凄まじい現実を聞かされ、シェルターの必要性を改めて痛感しました。
 シンポジウムは、矢野さんから、「子どもに居場所が無いって、どういうことぉ?」「シェルターって、何ぃ?」など(いずれも矢野さんらしい名古屋弁で)、素朴かつ鋭い質問が続きました。矢野さんの親しみのわく市民感覚あふれた質問、三人の軽妙なやり取りで、会場の皆さんにも、子どものシェルターを身近に感じ、その必要性についてもご理解いただけたことと思います。


今後も「パオ」にご注目を!!
 「パオ」は、モンゴルの組み立て式の家のことです。「パオ」がモンゴルを吹き荒れる風から人々を守るように、傷ついた子どもたちがシェルターや子どもセンターの支援によって守られ癒されて、次のステップに進んでいけるようにという思いを込めてつけられました。
 しかしこのようなことは、一部の関係者だけで実現できるものではありません。
 司法関係者、福祉関係者、子どもが暮らす地域の方々など、多くの大人たちが子どもたちを真ん中においたネットワークの輪を広げ、子どもたちの自立を支援して行く必要があります。
 また、シェルターで子どもたちを受け入れ始めれば、多額の運営資金が継続的に必要となります。子どもセンター「パオ」の運営資金は、皆さまからの寄付と会員から集める会費だけです。より多くの方々に、シェルターの必要性や子どもセンター「パオ」の活動についてご理解いただき、温かいご支援、ご協力をお願いしたいと思います。



子どもセンター「パオ」設立!!
とり戻そう 子どもたちの笑顔を パートU

子供センター パオ

*子どもセンター「パオ」に関するお問い合せは、下記事務局宛お願いします。
【事務局】
名古屋市東区泉1−12−23千晶ビル102号
高橋直紹法律事務所内
Tel&Fax 052−951−1680
E-mail kodomo-pao@infoseek.jp



〜ご支援下さい〜
 子どもセンター「パオ」では、運営資金としてのご寄付を募っています。皆さまのご支援をお願いいたします。(恐れ入りますが、1口5000円以上にてお願いいたします。)

【銀行口座】三菱東京UFJ銀行大津町支店
       (普)5130526 「コドモセンターパオ」





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