会報「SOPHIA」 平成18年3月号より

憲法問題シリーズ第6回

国会議員と語る憲法学習会(PART2)開催される

憲法問題特別委員会
委員 樽 井 直 樹

 憲法問題特別委員会は、3月17日、KKRホテル名古屋において、公明党の荒木清寛参議院議員を迎えて憲法学習会を開催した。これは1月に民主党の古川衆議院議員を招いて行ったのに引き続く、連続学習会の第2弾である。

 荒木議員は、36期の当会会員であり、平成4年から3期連続して参議院議員を務め、外務副大臣、公明党法務部会長などを歴任、現在は公明党愛知県本部代表、参議院行政監視委員長を務めておられる。

 学習会では荒木議員が「憲法論議について」と題して、憲法改正問題に対する公明党の基本的な考え方や党内論議の状況を約1時間にわたって講演された。

 まず公明党の政治的目標が、生命・生活・生存を最大限尊重する人間主義の政治という意味での「中道主義の政治」であり、今後の国家像としては「文化の薫り高き、活力ある国際国家」を目指すことにあると表明。その上で、公明党の憲法改正に対する立場を次のように説明した。まず、衆参両院の憲法調査会について、最終報告書は意見の羅列にすぎず、改憲の方向性を明示したものとはいえないこと、従って、掘り下げた議論は今後始まること、憲法調査会の議論では条文ごとの改正論が目に付き、憲法、国家とは何かといった骨太の議論が不十分だったという指摘があると説明。その上で、公明党は、現憲法は優れているという認識に立って、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の憲法3原則を堅持するが、制定後60年たった憲法を一言一句いじってはならないという立場にも立たないとして、時代状況の変化に合わせて必要となった条項を加えることによって補強していくという「加憲」の立場に立つことを表明し、未来志向にたって何を加憲していくかを考えるというものであると説明した。

 そして公明党の党内論議の状況としては、平成16年6月16日に公明党憲法調査会が発表した「論点整理」が現段階の到達点であるとしてそのポイントについて話を進めた。まず、改憲をめぐる最大の論点は9条をどうするかにあること、公明党としては現行の1項、2項は堅持した上で集団的自衛権は認めるべきではないというのが党内の大勢、3項を加えて自衛隊の存在や国際貢献を規定すべきかどうかを議論しているというもの、また公明党は新しい人権を重視し、積極的に加えていくという立場であると説明された。

 そのほか、国民投票法については、個別条項ごとに賛否を問う投票方式でなければならないが、そのような公正で中立的な制度は早急に整備する必要があると考えていること、安保外交政策としては日米同盟と国連中心の国際協調を基軸とし、アジア外交により力を注ぐことが語られた。

 質疑では、新しい人権について、憲法を改正しなければ認められないものなのかという点について厳しい指摘が続いた。議論の中心は9条を中心とする安全保障問題。「加憲」論への好意的な評価も聞かれる一方で、憲法規範を弱めるのではという指摘も行われた。

 公明党の議論の内容はきわめてまじめなもので好感を持てる。また、公明党としては自民党、民主党という2大政党が改憲勢力で占められている中、政権政党として単純に護憲と言っていてもいられない立場であるという苦渋も示された。しかし、そもそも憲法改正によって何を解決しようとしているのかについて曖昧であるとの印象をぬぐえなかった。







行事案内とおしらせ 意見表明