会報「SOPHIA」 平成18年1月号より |
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子どもの事件の現場から(44)
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1 | 少年事件の付添人は、家裁送致後、審判期日までの4週間弱の間に、少年、家族及び雇用主など関係者との面会、記録の閲覧、調査官及び裁判官との面談をタイミングよくこなしていくことが必要です。反面、審判までの短期間で、少年との信頼関係を築きながら、環境調整も行い、少年と共に彼ら彼女らの抱える問題を解消することは、なかなかに難しいのも現実です。 私は、実務修習中、ある弁護士の方が言われた「審判で付添人の任務が終わってしまうわけではなく、私は常に少年とは一生付き合っていくつもりでやっています」という言葉を胸に刻み、少しでも実践できるように努めています。と言っても、大したことをしているわけではなく、審判後も、できる限り面会に行ったり手紙を出したりして、少年とのつながりを保つようにしています。 ただ、当初、目標を高く設定しすぎてしまい、1ヶ月に1回は面会に行くようにしたところ、すぐに挫折しかけたため、面会が無理なときは手紙を出すことでもよい、ということにして細々と続けています。 そんなやりとりが続いている少年の中で、印象に残っているケースをご紹介したいと思います。 |
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少年は、外国籍の15歳で、逮捕当時は無職、被疑事実は窃盗(車両窃盗、車上荒らし)で、同国籍の成人共犯者2人のうち1人が既に逮捕されていました。 |
3 | 長い付き合いとなるかは、少年からどれだけ信頼してもらえるかにかかっているともいえます。私の片思いのまま実らなかったものもありますが、細々でも諦めず頑張っていこうと思っています。 |
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