会報「SOPHIA」 平成17年12月号より

子どもの事件の現場から(43)
子どもサポーターへのご協力をお願いします

会 員 桐 井 弘 司
 

 こんにちは。

 さて、今回皆様にご紹介並びにお願いをしたいのが、タイトルにあります「子どもサポーター」のことです。

 既に9月ころにアンケートを実施してますので、ご理解いただいている方も多いかとは思いますが、改めてご説明いたします。

 「子どもサポーター」とは、現在、子どもの権利特別委員会の一つのチームとして立ち上げの準備をしているプロジェクトのことで、「勤務先・一時帰住先等になって少年が更生をしていくのを手助けしてくれる協力者の方(「サポーター」)を募り、その名簿を作成し、会員の方から希望があればサポーターを紹介させていただく」というシステムのことです。

 少年事件を経験されている方なら、「この少年の勤務先が見つかれば」とか、「親元へ帰すのは適切ではないがどうしたらよいか」と悩んだことがあるのではないでしょうか。このような時に、少年達が自力で問題を解決することなどできるはずもなく、付添人である弁護士も含めた周囲の大人達が、少年の自立・更生に協力をしていくことが必要となります。ところが、家庭裁判所の補導委託先を含めて、少年達を受け入れる企業等があまりにも少ないのが現状です。

 しかし他方で、このような自立・更生のために努力をしている少年達に協力をしたいが、具体的に何をすればよいのか分からないという企業・個人の方の声も聞かれます。このような方に対しては、付添人を通じて個別に少年の引き受けをお願いすることもありますが、それは結局その付添人との個人的なつながりに基づくものにとどまるのであって、少年側のニーズとうまくかみ合っているとは言えません。

 そこで、このような企業・個人の方と少年達とをつなぐ橋渡しできないかという発想で発足したのがこのチームなのです。もともとは少年事件の補導委託先をイメージして始まったのですが、それにとどまらず、少年院を出院した子など、子ども達全体を広く対象とすることまで考えています(ただし、誤解のないように説明しますと、この制度は少年を直接支援するものではなく、あくまで少年とサポーターの仲介をするものです)。

 プロジェクト自体は、約10名のチーム員で定期的に協議を重ね、システムとして機能できるように準備をしています。しかし・・・残念ながら、サポーター候補者の方の情報があまりに少ないのです。先ほどアンケートを実施したと書きましたが、それでも残念ながら十分な情報提供をいただくまでには至りませんでした。そのため、現在チーム員にて個別に知り合いの方にお願いをして回っているのですが、どうしても限界があります。

 そこで、サポーター候補者に心当たりがある方がいらっしゃれば、私まで御連絡いただければと思います。少年を雇用するまでは難しくても、どのような形でも少年の自立・支援に協力をすることはできます。詳細についての質問もお受けしますので、お気軽にどうぞよろしくお願い致します。皆様からのちょっとした情報の提供が、いつか必ず役に立ちます。

 今のところ平成18年4月からの始動を予定しておりますので、実際に動き始める際には改めて会員の皆様に詳細をお知らせします。

 何卒、よろしくお願い致します。









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