会報「SOPHIA」 平成17年12月号より

モンゴル研修生・留学生愛知県弁護士会を訪問

国際特別委員会 委 員 鈴 木 良 明
 

  1.  さる12月16日午後、モンゴル法務・内務省法政策局の局員であるエンフツエツエグ氏、同じくエンフバートル氏及びモンゴル国立大学法学部助教授であり弁護士でもあるアマルサナー氏の3名が、名古屋大学法政国際教育協力センター特任講師の中村真咲先生の引率のもと、愛知県弁護士会を訪問されました。
  2.  エンフツエツエグ氏らは、約1ヶ月にわたり名古屋大学法政国際教育協力研究センタ ーにおいて、日本の法制度、司法制度などを研修されたとのことであり、帰国間際のお忙しい時期に、日本の弁護士制度、弁護士会の果たしている役割を、実際に当会の弁護士から聞きたいとの希望で今回の訪問が実現しました。


  3.  エンフツエツエグ氏らは、当日の午前中、国際特別委員会の委員である酒井俊皓会員の事務所を訪問されました。酒井会員の事務所は、ご存知のようにJICAからモンゴルに派遣されている田邊正紀会員が所属されている事務所であり、酒井会員らとの間で、モンゴルの話題で盛り上がったと聞きました。


  4.  理事者を代表して伊藤N彦副会長、国際特別委員会から林光佑委員長、平野保委員、酒井俊皓委員、田代清一委員、佐藤昌巳委員、山村真理子委員らが参加しました。


  5.  昼食をともにした後、伊藤副会長から、日弁連の概要の話がなされ、その後当方から愛知県弁護士会の概要、弁護士会の活動内容、現在の弁護士会の問題点などの説明をいたしました。伊藤副会長は、日弁連ならびに単位弁護士会は、裁判所・検察庁・政府組織と一定の距離を保ち、その独立性を担保することが、社会的弱者ないし少数者の人権保護の観点から、必要不可欠である旨を強調されていました。  愛知県弁護士会からは、日本の法曹人口、弁護士の都市圏への偏在、日本の司法修習の実際、弁護士会の公益的事業及び公益的活動の内容等を説明いたしました。


  6.  エンフツエツエグ氏らは、同氏が政府の官僚であり、モンゴルにおいて弁護士法を実際に整備していくべき立場から、日本の弁護士自治及びそれを支える綱紀懲戒制度等に関心がおありになるようであり、その観点から質問がなされました。  約2時間の歓談でしたが、和やかなうちにも内容のある議論がなされました。


  7.  歓談後、愛知県弁護士会の委員会室、図書室、会員室などの内部をご案内し、裁判所も訪れて法廷傍聴にご案内いたしました。  モンゴルは、近年政治体制が変革期にあり、弁護士(会)制度自体も揺籃期ですが、それゆえにこそ広く海外に目を向け、弁護士制度に限って言えば、日本の弁護士制度を一つの指針にしたいという印象を受けました。モンゴルの弁護士会も当会との交流を深めることを強く希望されているとのことであり、今後当会とモンゴルの弁護士会との実質的な交流が深まることを強く期待します。








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