会報「SOPHIA」 平成17年10月号より

薬害の根絶を目指して

 〜薬害肝炎名古屋弁護団の活動

薬害肝炎名古屋弁護団 事務局長  堀   康 司

  1. 血液製剤によるC型肝炎の蔓延
  2.  血液を媒介とするウィルス感染症であるC型肝炎は、年を経て肝硬変に進展する重篤な病気で、肝癌の最も重要な原因と もなっています。薬害肝炎訴訟は、血液凝固因子製剤(フィブリノゲン製剤、第W因子製剤)によってC型肝炎ウィルスに 感染した被害の回復を求める集団訴訟で、すでに全国5カ所で90名を超える原告が提訴しており、名古屋でも2003年 6月に提訴し、現在は10名の原告とともに国と製薬企業を相手にした訴訟を進めています。



  3. 5弁護団の連携〜残された時間との闘い
  4.  C型肝炎は進行性の疾患です。全国の原告の中には提訴後に亡くなられた方もいます。遅すぎる解決は許されません。そ こで提訴当初から5地域の弁護団が密に連携し、争点を共通化し立証課題を各地で分担することで早期解決を目指していま す。名古屋弁護団も柴田義朗代表以下全14名の精鋭で第W因子製剤に関する論点を担当してきました。


  5. IT技術を駆使した弁護団活動
  6.  この訴訟では、製剤が承認された1964年以降の血液製剤と薬事行政に関する歴史を検証する必要があります。そこで 弁護団では、医中誌Web(国内の医学文献)、NACSIS Webcat(国内文献の所在情報)、Pubmed(海 外医学文献)等のデータベースを駆使して膨大な文献を収集してきました。また、日々メーリングリストを活用するのはも ちろんのこと、会議ではプロジェクターで投影しながら議事録をリアルタイムに作成して問題意識の共通化と事務の効率化 をはかっています。さらには、早くからblogを活用して訴訟活動を即時に写真付きでレポートしており、これまでに記 事の数は100件を超えています(http://kanenngy.exblog.jp/)。こうした技術を活用して 精緻な立証活動と広汎な支援の輪を目指しているのもこの弁護団の特色です。


  7. 温かいサポーターに支えられて
  8.  この訴訟には「薬害肝炎訴訟を支える会・名古屋」(愛称:エール)という強力なサポーター集団が存在します。エール は東海地区の学生を中心とするグループで、金髪茶髪はあたりまえといったイマ風の面々が集っていますが、期日後の報告 集会を取り仕切り、熱いスピーチや、さすがIT世代!と感嘆させられるスライドプレゼンを披露するなど、個性的な才能 を発揮しつつ、彼らの母親世代にあたる原告を温かく支えています。今年8月の薬害根絶デーでもアイデアあふれる行動の 数々で応援してくれました。


  9. いよいよ正念場
  10.  弁護団発足から3年にわたってこうした活動を展開してきましたが、来年2月28日からの原告本人尋問でいよいよ正念 場を迎えます。弁護団では熱いハートの新戦力の加入を心待ちにしてます。当会に新規登録されたみなさん、是非ご一報下さい。








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