会報「SOPHIA」 平成17年9月号より

小野木朋子先生をお迎えして

 

岩手弁護士会 公設事務所支援委員会
高 橋   耕

  1. 待望の常駐弁護士
     この度、岩手弁護士会は念願の二戸市のひまわり基金事務所に小野木朋子先生を迎えることができました。二戸市には盛岡地裁二戸支部があり、その管轄面積は県の7分の1を占め、人口は13万6000人です。現在では34期の石田吉夫会員が開業しておりますが、長らく弁護士が0の地域でした。経済圏としては、青森県八戸市と密接な地域であり、八戸市の弁護士が二戸市の法律相談を担当していた時期もあります。二戸支部の国選弁護を八戸市の弁護士にも割当てたらどうかという話題が出たこともあり、岩手弁護士会としてはなんとしてでも二戸支部管内に弁護士を招聘する必要性がありました。幸い、石田弁護士の登録により、最低限のことは可能となったのですが、地域が広く、当番弁護士を含め、1名の弁護士ではカバーすることは困難な状況であったのです。岩手弁護士会は平成17年5月から、クルー制の法律相談センターを発足させ、事務所を確保すると共に、小野木先生の到着をお待ちしておりました。

  2. 岩手の会員増加
     今、岩手弁護士会は会員が急増するという異変が起きています。現在59名ですが、本年10月には小野木先生を含めて61名となります。平成16年1月では49人ですから、1年余の間に10人以上も増加しました。これには岩手弁護士会が公設事務所を北上・遠野・宮古に相次いで設置できたこと、東北新幹線沿線沿いの盛岡・水沢・一関の弁護士が積極的に勤務弁護士を採用し、岩手県と直接的には縁のなかった修習生も登録するようになったこと、地元出身者のUターン現象などが複合した結果です。今後も東北新幹線沿線沿いの地方都市は、盛岡以南は工場も増えており、弁護士も増加していくことが予測されます。しかし、二戸市などの県北、太平洋側の地帯は第一次産業中心であり、公設事務所などの公的支援があり、かつ期間が限定されていないとなかなか若い弁護士の登録は今後も当分は見込めないと思われます。

  3. 二戸市というところ
     私自身は盛岡市に住んでいます。人口は周辺を入れて30万人ですが、ジャズクラブでは東京で活躍する音楽家も度々演奏しますし、多人数でも1人でも飲みたければそれなりの店もあります。その点、二戸市は新幹線で盛岡から30分足らずではありますが、前の晩、どこの店にいたか町の人たちは知っているという雰囲気です。仲々このような町で暮らすのは大変だろうと思います。しかし、その時は盛岡から通うことも十分可能です。小さい事件が多いとは思いますが、経済的には困ることはない地域です。冬は寒いし、当番弁護士で凍結した道路を走る怖さもありますが、空気と自然は新鮮です。食材も豊かです。小野木先生には是非そのまま定住してほしいと願っていますし、私達も全面的に協力したいと思います。

     最後になりますが、私は26期の名古屋修習です。同期の方々も多く、お世話頂いた名古屋弁護士会(現:愛知県弁護士会)の先生方には足を向けて寝られないという思いがありましたが、この度また小野木先生を送り出して頂いたことに感謝申上げます。





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