会報「SOPHIA」 平成17年8月号より |
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「子ども議会」にて条例可決に!法法教育特別委員会 委員 中 根 浩 二 「子ども議会」開催 7月28日にサマースクール専門講座として、「子ども議会」が開催され、午前の部は高校生10名、午後の部は中学生18名の参加を得ました。
「子ども議会」とはなんぞや
参加者が、班ごとに、条例案を作成した後、「議会」を開いて、それぞれの条例案を議論し、多数決で決議し、条例を制定するという企画です。今回は、セントレアシティ市という架空の市にて、ごみ収集場所・方法について、問題が生じた事案を検討しました。
参加者は、それぞれ、古くからの住民、新しい住民、不動産業者、従来収集場所の前に住む人、商店街の商店主代表の5つの立場にわかれ、それぞれの立場に沿って条例案を作って、議会に提出してもらいました。 初めての企画
今まで、当弁護士会のサマースクールや学校講師派遣などでも、このような試みをしたことはなく、初体験の企画でした。
福井弁護士会が某高校で実践された授業をもとに、愛知県弁護士会でも挑戦してみようと取りかかりましたが、当初は、チーム員すら 、「子ども議会」のイメージがわかず、苦慮致しました。 どんな条例案が出たのか?
次のような、形式的にも議員顔負けのような条例案が出た班もあります。
第1条 本条例は、アイランド地区内における円滑なゴミ処理が行われることを目的とする。 第2条 アイランド地区を下図のように七区画に分け・・・(以下略) また、次のように、特定の収集場所を定めず、収集車が走り続けるという、チーム員も想像しえなかった条例案を作ったチームもありま した。 一 ゴミはゴミ収集車に直接入れる。 二 ゴミ収集車はストリートを10分間走り続ける(音楽をかける)。 三 罰:守れなかった人の家の前に1ヶ月間ゴミ収集場を設ける。 その後、「子ども議会」を開き、各班の条例案の検討に移りました。ゴミ収集場所を変えてほしいという意見に対し、収集場所を変えな い代わりに、ルールを守らなかった人には、罰金だけではなく、半年、その人の家の前をゴミ収集場所にすればいいというユニークな議 論がなされました。 特定の収集場所を定めず、ゴミ収集車が走り続けるという上記案に対して、そのような収集車はかえって危険であるという反論が出さ れました。これに対し、ゴミ収集車の図まで書き、「これなら安全である」との必死の再反論に、一同感心した場面もありました。 最後に、多数決で条例は可決しましたが、どの条例案にも素晴らしい点があり、どの条例が可決されたかよりも、その過程の大切さが 何よりも重要であることを、参加者一同実感した瞬間でした。来年以降、このような新しい企画が発展することを祈ってやみません。
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