会報「SOPHIA」 平成17年8月号より


《中高生からの便り》


サマースクールのインパクト」

Plano East Senior High School  村田稔尚


 今年、僕は日本で社会経験を積む為に夏休みを利用して日本に帰って来ました。 
 ちょうどアメリカに帰る3週間前に父の知り合いの弁護士からサマースクールの事を聞かされて、僕も非常に興味深いと思い直ぐに申し込みました。
  アメリカではこのようなサマースクールは珍しくありませんが、日本でしかも弁護士の方々が地元の学生の為にこのイベントを主催してくれたのには、驚きと感動でした。 中でも一番印象に残ったのは『子ども議会』です。先ず僕達は『ルールとは何か』と言う事について考え直し、それにともなって良いルールを作ると言う教育的にも、そして新しい考え方についても色々勉強になったと思います。今の世の中では法というのは僕達の生活には欠かせない物です。法を理解するというのは社会のルールを理解するのと同じです。このサマースクールは、これから社会に出ようと為る僕達に、社会のルールを、そしてこれから生きて行くにかかせない経験を教えて貰えたと僕は思います。
  川上明彦校長を始め今回のサマースクールに積極的に取り組んでくれた弁護士会の皆様には深く感謝しています、また来年もサマースクールに参加出来る事を期待してます。


「一日裁判官」

名東高校1年 竹内佳苗


 夏休みのサマースクールといわれて、まっ先に思い出すのは、私の場合「子ども裁判」です。なぜそうなのか自分でもはっきりいってよくわかりませんが、鮮明に記憶に残っています。子ども裁判というのは、私たち子どもが、弁護士・検察官・裁判官といった法曹三者に分かれて(補佐をして下さる弁護士の方がついてくれましたが)仮の事件を裁判するものです。私は裁判官の役でした。 
 この仮の事件というのは、少年犯罪で、少年が万引きをしてしまうというものでした。少年役を弁護士である大人の方が演じられ、とりかこむ法曹三者が子どもたちという、それは全てが見わたせる裁判官席にいた私からみて、妙にひきこまれる光景でした。そして裁判官の役を担った私は、実際に判決を行ったのです。この判決がユニークで、実際にある刑罰…例えば懲役○年とか執行猶予○年といった現在ある刑罰にとらわれることなく判決を下していいというものでした。つまり、自由な発想で判決を下せるのです。実際に私も判決を下すにあたり、少年にゲームセンターへの出入りを禁止したり、ボランティアを命じたりと、今の日本ではありえない判決を下しました。
  今の日本と書いたのは、なんとこの子どもが子どもを裁判する制度がアメリカに実際にあるそうです。ひょっとしたら、近い将来日本にあるかもしれない「子ども裁判」という体験を私はこの夏しました。なんだか今までにない妙に楽しかった経験でした。いつか子どもが子どもの力で裁判を行い、誰かが立ち直れることができることを願って、私の感想を終わります。






行事案内とおしらせ 意見表明