会報「SOPHIA」 平成17年8月号より


サマースクール開催される

−新任校長は、授業参観でうなった−

法教育特別委員会委員長兼サマースクール校長
川 上 明 彦

 当会では、平成15年から毎年7月下旬にサマースクールを開校している。中高生に夏休みに弁護士会館に来てもらい、模擬裁判等の企画を通じて主体的に物事を考える力を養ってもらう法教育の一環であり、司法を身近に感じてもらう機会でもある。本年度から当委員会に移管し、本年の参加者は173名。延べで233名。

1 校長のサマースクール日記

 平成17年7月25日、サマースクール開始。25〜27日まで法廷傍聴。26日は台風のため暴風雨警報あり。補講は8月10日。色々なことが起きるものだ。 
 7月28日、開校式あり。青山会長と校長の挨拶あり。校長は授業参観を始めた。「なるほどねぇ。」思わず笑った。子ども裁判所での少年への処分の柔軟性に対してである(竹内景子委員、生徒竹内佳苗さんの原稿参照)。是非、現役の裁判官や検察官にも見て頂きたい。
 「ウーン、考えているな。」思わず感心した。子ども議会における発想の新鮮さと自由に対してである(中根浩二委員、生徒村田稔尚さんの原稿参照)。それにしても、担当委員は、生徒の意見を上手に引き出している。これは「弁護士の出前授業」の新商品に応用できそうだ。
  続いて「法曹と語る」講座を参観。生徒は興味津々にエネルギッシュな現役法曹三者の語りを聴き目を輝かせていた。内容は良い。ネーミング等を一工夫しよう。裁判員制度が始まれば、裁判官室は市民に身近になるはずだし、裁判官室の見学もあるといい。
 7月29日、「ホォー、そこまで考えているのか。」思わず驚嘆した。模擬裁判(魚住直人委員の原稿参照)の6グループに分かれて評議中の中学生の「竹刀を持っている人間が張り手で3m近くも吹っ飛んだということは、既に身構えていなかったはず。竹刀を持つ者が身構えれば自然と腕の筋肉に力が入り無防備にはならない。」という筋肉発言に対してである。優秀な裁判員を予感させる。シナリオもバランスの取れた力作は見事でした。


2 本年のサマースクールを終えて

 8月31日の当委員会で次年度のサマースクール開催を確認した。何を目指すか。様々な意見が出されたが、法教育、広報など多目的・多機能でよいと思う。各委員の努力の結晶からして参加者の増員が望ましい。例えば、日常交流の少ない父子がペアで真剣に意見交換する新たな企画の提案もあった。実におもしろい。ただし、企画設定・宣伝勧誘を含めスケジュール管理、各委員の興味関心に基づく講座の増設、十分な準備による各委員の充実感の増強と疲労防止など課題も多い。
 最後に、協力して下った裁判官、検察官の方々、ありがとうございました。そして、各委員及び事務局の皆さん本当にご苦労様でした。






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