会報「SOPHIA」 平成17年3月号より

事業者セミナーをご存じですか?


高齢者・障害者総合支援センター運営特別委員会
委員 平 林 拓 也

1、  平成17年3月1日(火曜日)午後2時から、小牧市社会福祉協議会「ふれあいセンター」において、平成16年度事業者セミナーが開催された。
2、  事業者セミナーは、高齢者・障害者総合支援センター「アイズ」が施設事業者、在宅介護事業者、社会福祉協議会及びその他行政福祉関係者を対象に福祉現場における様々な問題を取り上げて高齢者・障害者問題について行うセミナーとして、平成13年度から毎年1回開催されている。平成13年度は当会館で、平成14年度は豊橋市役所で、平成15年度は半田地区でそれぞれ開催され、本年度は尾張北部地区の事業者等を対象として小牧市での開催となった。
3、  当日のセミナーには、小牧市やその近郊の事業者などから32名の参加があり、これまでと同様盛況であった。当日の参加費は無料であったが、希望者には、「アイズ」作成の高齢者・障害者問題マニュアル2003年版、介護事故マニュアル2005年版、「ほっとくん」相談集2005年版を有償で配布した。
4、  本年度は、財産管理に関する諸問題、介護事故に関する諸問題、虐待に関する諸問題をテーマとして、各担当弁護士による報告とそれぞれのテーマに関連する質疑応答をし、セミナー終了後に希望者を対象とした無料法律相談を行った。
5、  当日のセミナーは、当委員会の池田桂子委員長からの挨拶の後、最初に財産管理に関する諸問題について当委員会の新信聡弁護士から報告してもらった。ここでは、事業者が世話をしている高齢者より預金通帳などの金銭管理を依頼された場合にどの様に対処すべきか?、利用者が死亡した場合の遺品を誰に返還すべきか?、の2つのテーマに絞って報告がなされた。その後の質疑応答では、参加者より高齢者の財産管理についての質問に対し、新信弁護士から回答がなされた。
6、  次に、介護事故に関する諸問題について当委員会の稲垣高志弁護士から報告がなされた。ここでは、介護事故があった場合の事業者等の法的責任について、主にデイサービスでの介護事故の裁判事例を使って報告がなされ、さらに介護事故の防止について、「法と経済学」の設例を使って事故防止のコストと介護事故が事業者に与える損失などの報告もあった。このテーマについて、参加者からの質問は特になかった。
7、  その後、休憩を挟んで、虐待に関する諸問題について、当委員会の矢野和雄弁護士から報告がなされた。矢野弁護士からは、高齢者虐待の種類・類型、虐待者の属性による問題点、虐待に対する現行法の枠内での対応手段、発見した場合の対処方法などについて、現在国会で検討されている高齢者虐待に関する新法の動向を踏まえて、懇切丁寧な報告があった。その後、このテーマについての若干の質疑応答がなされた。
8、  井口副会長より閉会の挨拶の後、数名の希望者を対象に30分ほどの無料法律相談を実施した。
9、  最後に、今回の事業者セミナー開催にあたり、開催場所の施設や設備などの提供、参加者の募集やそのための広報など色々な面でご協力いただいた丹羽正雄事務局長をはじめとする小牧市社会福祉協議会の方々に感謝申し上げる。